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民主主義(独り言)

「責任と話し合い」

時折、中学生の社会科の指導をさせて頂く事がある。その中で指導しにくいと言うより、指導できない項目が「民主主義とは」になる。民主主義は、その基本を話し合いに置いている。けっして一つの考えが独走することなく、互いを尊重し合い、話し合いを十分に行い決定していく。だから手間がかかるし面倒くさい。しかし、それが民主主義のルールなのだ。我々はその民主主義を選択している。当初は、戦後アメリカ軍の統治下にあった我が国で、お仕着せの民主主義でもあった。しかし、民主主義とは、皆で作り上げていくものだと認識している。これらを前提として考えると、我が国の民主主義は「自由」ということばがだけが先行しているように思う。丁寧な話し合いが行われていない。

現日本社会は、ヒステリック社会と呼ばれ始めているが、実は、日本社会の大きな転換期を迎えているように思う。今月2つの選挙が行われた。国策に対する民意の意見が最終判断となった。世は、ICT社会、ネットを通じ誰もが自由に意見を発信できる時代となた。だからこそ、改めて問わねばならないのが「自己責任」だと思う。企業に置き換えると「法令遵守」となる。企業経営の理念で第一に上げられるのが「社会貢献」だ。特に、社会に影響力を持つ企業は社会貢献という名の下、企業コンプライアンスを遵守しなければならない。実際、今日の社会ではCSR(corporate social responsibility :企業の社会的責任履行)と共に非常に重視されている。

私は、石川教育研究所として、教育に関わる仕事を生業としている。その教育活動の一環として子ども達を指導する教室を行っている。母の介護の関係で、草加市に事務所を置いている。事務所が主体ということもあり教室は狭い。しかし、ここには様々な子ども達が通ってくる。一時、生徒全体の7割が母子家庭・父子家庭・離婚調停中であったこともあった。この間、様々な事件があった。子ども達に対して言えることは、大人の愛に飢えていたということだ。話し相手を、同年齢だけでなく大人にも求めていた。というより、それは「親」だったのかも知れない。私から見て、彼らの心は実に健康そのものだった。そんな彼らを通し、私は社会の実態と現実を見ていたような気がする。

ドラマには終わりがある。それも意識して終わらせる事が出来る。ハッピーエンドを望めばハッピーエンドに。ラストシーンにも感動的な演出が可能だ。しかし、現実は違う。だから、家庭内トラブルに見舞われた彼らは、怒り、悲しみ、喜び、嘆き、場合によっては心ない者達から差別を受けることになる。「社会とはそうしたものだ。」と言うのはたやすい。そんな彼らを思う大人であれば、企業であれば、彼らを支える施設、団体、個人、そして何より彼ら自身に勇気と生きる力を与えて欲しいと願う。三組の内一組が離婚するという日本社会、常に犠牲となるのは弱者であり、とりわけ子ども達だ。大人達が手本を示すことが出来ない社会に、子ども達は誰から学ぶのだろうか、大人達が希望を持てない社会に、子ども達は希望を持てるだろうか。

2013/1/26


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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