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二極化の加速

「学習の計画性」

子どもの達の能力、学力差は語彙数に比例することはお伝えしました。子ども達の学力を評価する場合、一番分かり易いのが5段階評価でしょう。では、語彙数の格差を5段階評価で比較してみましょう。
最上位である評価5を100として、他の段階の語彙数の比率を求めてみました。(対象は小学6年生)

  • 評価5 語彙数率 100.0%

  • 評価4 語彙数率  54.1%

  • 評価3 語彙数率  43.2%

  • 評価2 語彙数率  32.4%

  • 評価1 語彙数率  21.6%

この数値を見て、何に驚かれますか。評価5と評価1の違いは誰でもが想像できる範囲ではないでしょうか。それより、評価5と評価4の違いです。ここで大きな差が生じています。他の差が10%に対して、ここでは40%を超えています。評価5を獲得出来る子は、全体の4%程度です。

子ども達の多くが、学年が上がる毎に、先生の説明や解説が解りにくいと言い始めます。また、教え方が下手だと言い出す子まで出てきます。この子たちに聞き取り調査をすると、その9割がことばの意味が理解出来ないと言います。そのことばとは、決して難しいモノではありません。教科書に出てきたことばや、その単元の重要語句等です。今の学習内容では、事前に重要語句の下調べなどの予習を行っていないと授業にはついて行けません。家庭学習で、教科書(国語だけでなく全ての教科書)の音読は必須条件でしょう。

問題なのは、子ども達自身が、授業について行けないことを他人の性にする最近の風調です。「自分は悪くない」と強調します。

家庭学習を怠ると、間違いなく成績は下がります。よく聞く姿勢が出来ていないと言いますが、これは、聞く耳を持っていないと言った方が正論でしょう。そして、聞けるだけの「ことばを持っていない」と言えるのです。厳しいことを言えば、高学年になって慌てても、その間の学習を取り戻すには、同じだけの時間を要すると思わなければなりません。学習には計画性をもって臨むべきです。小学1年生では塾など早すぎると大多数の方がお考えでしょう。しかし、小学1年生で先ほどと同じ語彙数率を求めてみました。
(対象 小学1年生)

  • 評価5 語彙数率 100.0%

  • 評価4 語彙数率  57.1%

  • 評価3 語彙数率  42.9%

  • 評価2 語彙数率  28.6%

  • 評価1 語彙数率  28.6%

数字で表すと問題点が浮かび上がります。私は、今までこのブログを通して「語彙数」と学力や成績の関係を述べてきました。語彙数の獲得の下地は、この数字が示すとおり「幼児期」であることは間違いありません。また、私たちが進めている「感覚教育」も、何でもない生活経験や遊びの経験です。感覚の不統合がもたらす影響は、学習障害や適応障害として表面化してくることがあります。

夏休みを前に、ご両親や、保護者の話し合いで学習計画をお立て下さい。

お問い合わせ頂いております「ひらがな練習帳」単語編は、語彙数獲得教材の第一弾です。是非ご利用下さい。

2013/7/13


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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