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学力と記憶 子ども達の学力分析

「災いする学習記憶」

子ども達の学力分析に関するデータはとても貴重なものです。当研究所の制作する教材は、例えば、算数は分析総合法をベースに制作されています。もうすぐ発売される足し算・引き算の複合過程編(2桁以上の計算練習)も、素過程と呼ばれる基礎計算の分類を更に進め、計算を型分け(計算を種別したのも)し、段階的に計算の学習が可能になっています。こうした教材作りは当研究所の特徴でもあります。一般的にドリル形式の教材は「やりっ放し」が多く、それでは正しい学習のあり方とは言えません。○を付けて終わりとなります。では、間違えた問題の処理はどうされるでしょうか。子ども達の間違いにはそれぞれ特徴や意味があります。意外にこうした学習分析が疎かにされているのです。

中学生の数学で躓いている生徒、彼らの問題点はその殆どが小学3年生までの基礎計算と基礎概念の不備によるものです。また、この時、計算上で間違った概念や「答え」を記憶しています。実は、学習の過程で間違った認識で記憶されることが意外と多いことに気付かされます。勿論、算数、数学だけでなく国語でも、理科社会でもあります。一度すり込まれた記憶を修正することは大変難しく、子どもに対し、かなりの労力と苦労を強いることになってしまいます。例えば、Y÷Yを0と記憶している中学生がいます。この生徒は、小学生の引き算から躓いています。今まで何度かケアレスミスは放っておくと学力として定着すると申し上げました。このケースは最も問題のあるケアレスミスで、単純な計算だけに、パターン化された計算の間違った記憶が引き起こすミスとなります。しかし、こうしたミスは見過ごされ、○か×かの判断で済まされてしまいます。これでは、根本が直らない限り、永遠とミスをし続けるでしょう。

チャレンジ500という教材があることは既にご承知の通りです。足し算・引き算・掛け算・割り算の基礎計算をそれぞれ100題ずつまとめた教材です。子ども達のケアレスミスが直らないというご相談から、この教材を使って確認をして頂きました。すると、その答案から生徒の弱点が見えてきたのです。今まで点数だけの判断であったテストが、子どもの学習分析となる重要性と必要性を強く感じられたそうです。

子どもの学習記憶は時に学力向上の大きな妨げになる事があります。こうした状態を意識させなければ子ども達の真の学力向上はありません。記憶力を重視するがあまり、子どもの記憶について無頓着であると、何の為の学習なのか、高学年になると取り返しのつかない状態に陥ってしまいます。

中学生を指導していて、幼児や小学生低学年指導がこれほどまでに活かされるのかと思うことがあります。先生方の研修も同じ事が言えます。20年ほど前、幼児や小学生指導を専門に教育活動を行ってきた私が中学生や高校生指導をされている先生方に、ある方から研修して欲しいという依頼を受けたときとても疑問でした。しかし、その後中学生や一部高校生を指導してみてその意味がよくわかりました。中学生にもなると学習の積み残しが至るところに見えてきます。考え方であったり、記憶違いであったり、この修正は早めに気付くことで可能ですが、医療と同じで、早期発見早期治療が必要です。ただし、こうした分析が出来る為、研修を積み重ねてきた能力のある教育機関でなければなりません。

2014/5/15


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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