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宿題の増加 家庭に丸投げか?

「悪い癖がつく宿題の処理→ケアレスミスの増加」

「アァー疲れた!」最近多くなってきた言葉が教室に響きます。「面倒くさい!」「疲れる!」は子ども達がよく使う定番のことばです。たぶん、大人が多く使っているのでしょう。それにしても、「疲れた!」は多すぎます。予想はついていました。宿題の量が夏休み前になり、今まで以上に増えているのです。以前と違い、増量された教科書の問題量は、「家庭学習に回さなければ消化できない。」と現場の先生方は嘆きます。極端から極端に変更される教育指針は、現場に混乱をきたし、それ以上に子ども達や家庭が振り回されることになります。子ども達の将来に関わる教育について、何ものにもぶれない信念が必要ですが、宿題のあり方や家庭学習のあり方に疑問が残りそうです。

家庭学習は子どもにとって大切な学習習慣です。宿題として与える内容の量と質など、考えて与えられればいいのですが、現代社会を反映している二極化という波が、学力にも及んでいることを考えると、教科書の消化を考えた宿題の与え方には問題がありそうです。例えば、計算だけ見ても、小学校高学年で一桁の足し算100題をさせてみると、速い子は3分以内で終了します。遅い子では10分以上かかります。1問換算では1.7秒:6.6秒(教室調べ)です。これが引き算や割り算となると、更に差が開きます。

足し算の基礎計算でかなりの差が出る学力差、これが文章問題のような応用問題となると、更に深刻な問題となります。問題の文章が正しく読めない子どもの率はかなり高く、2行から3行の問題文で躓いています。一般家庭の傾向として、計算問題を中心の学習が上げられます。すると、問題文を読み、考え、式を立て、計算し答えを整理するという手順を踏む文章問題は苦痛以外の何ものでもありません。

子ども達は、問題文を読み、あまり考えもせず出てくる数字や字面から式を立ててしまいます。それだけではありません。速く終わらせたいという焦りから、文字が乱雑になります。子ども達のケアレスミスは、こうした環境から生まれる場合が多く、かなりの注意が必要です。

学校で出される宿題の量から、大変申し訳ない言い方ですが、先生の考え方や、学習計画の質が見えてしまいます。一定量の宿題を定期的に出される先生は、子ども達の状態や、子ども達の学習理解度を精査することで量を加減されます。宿題量は、1年生で20分、2・3年生で30分が目安になると思います。高学年では45分が目安でしょう。1時間をはるかに超える量を連日出されるのは問題です。特に今の時期の学期末や、学年末になると宿題量が増えてきます。

一例ですが、学習は毎日決まった時刻に、決まった時間内で行うことを薦めています。宿題があまりにも多く困っていると保護者の方から相談を受けた事があります。大切な事は、毎日の学習です。そこで、算数であれば、算数宿題ノート(指定がある場合は別)に、丁寧に問題を写し取る事をお願いしました。そして、算数であっても、問題を(計算問題でも)しっかり音読をして貰いました。問題は時間内までに出来るところまで行って貰います。ノートには、宿題で行うべき問題が書き写されています。時間に余裕があるときは、前の宿題を行います。(このケースは、担任に提案し行いました。)

学校で行う学習を優先に家庭学習を組み立てます。宿題を雑にこなし始めると間違いなくケアレスミスを誘発し、学習に丁寧さが無くなります。宿題には十分注意し見守ってあげて下さい。学習に対する雑な取り組みが、学力低下へと繋がって行きます。もうすぐ夏休みです。計画的に学習を進めていきましょう。

2014/7/11


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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