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夢と受験

「子ども達と語る」

私立高校受験結果が出始めた。以前は公立志望の生徒が多かったが、最近では、次の大学そして社会への旅立ちを考え、私学に進むようになってきた。それは、私学が大学進学にきめの細かい指導をしてくれるからだ。昨年、国立大に合格した生徒達も、全員敢えて私学を選択した。今年、私学への志願者は全員合格を果たしたが、まだ終わってはいない。彼らには、更に特進クラスなどへ進むための合格者対象の特進クラス選抜試験が待っている。高校受験は、合格したらそれで終わりではない。彼らは義務教育から離れ、自らの意志で次の学びの場を選択したのだ。このことを、中学3年生は自覚しなければならない。義務教育と自ら受験し臨んだ高校生活は違うのだと。

私は、中学生クラスの生徒には中1から「自分の夢」を持って貰うようことば掛けをしている。今週終わった中2の保護者面談も、生徒だけではなく、保護者にも子ども達の夢を応援するよう話しをしている。応援とは、簡単なことで、資金的援助や過度な負担を強いることではない。子どもと共に夢を語って貰いたい、それだけだ。私立中学に通う中3生がいる。彼は受験勉強の必要はない。しかし、受験生かそれ以上の難問に挑戦させている。学校の授業では高校数学をこなしている。しかし、中学で積み残した内容はある。そこで、吉備システムというデーターベース化されたソフトを駆使し弱点対策を行っている。このシステムがこれまで数多くの子ども達の成績を支えた。そして、優秀な生徒を数多く育ててくれた。弱点対策といえど、彼の臨む問題は高度だ。受験問題でも、基礎ではなく受験生が最も手を焼く後半の応用問題だ。彼には大きな夢がある。航空関係の仕事を希望している。普段は寡黙だが、夢を語る彼の目は若さだけでない輝きを放っている。

私立校に合格した生徒は、大学進学を海外の大学としている。入塾当初の彼は、計算中心の塾に通っていた。考える事が苦手で、その塾の名前を使い○○病と呼んでいた。答えは全て即答なのだが全く的外れで、当てずっぽうに答えを連射してくる。思考力の無さは、これからの教育について行けないばかりか、社会でも通用しない。思考力の無さは、判断力にも影響するからだ。また、教育は記憶力が大切だという。しかし、それは一昔前の状態を指している。これからの記憶はデータベース化されているネット社会が担う。基本的な記憶力を有していれば問題はない。必要なのは、思考の為の語彙力であり、様々な場面で必要とされる判断力だ。知識や記憶はコンピュータに任せておけばよい。我々はもっと知的にそれら知的財産を有効に使える思考力を持たなければならない。こう言うと「記憶力を否定するのか!」とお叱りを受けてしまう。こうした反応が思考力の無さを証明している。何も記憶力を全面否定はしていない。私の所の生徒達の記憶力は群を抜いている。そうした指導を心がけながら、思考力を高めている。○○病と呼ばれた彼は、年を重ねる毎に思考力が増してきた。時に沈思黙考することもあった。小学校4年生からの通塾であったが、人は環境で変化する。

最近、テレビに多く出るようになってから、教え子達からの便りが増えた。「先生、頑張ってますね!」その通り、子ども達に、私が頑張っている事をもっと伝えたいと思う。話し始めると「相変わらず熱いですね!」と必ず返ってくる。彼らとはそれぞれの夢について随分と語ってきた。医師を目指すもの、医療研究を目指すもの、アニメーション作家を目指すもの、彼らの持つ夢には勝つとか負けるとかはない。自分の意志が努力が問題なのであって、目標を持っているからこそ挫折も味わえる。こうした失敗が人を強くし、人の痛みがわかる人となれる。だから、どんな子でも私は決して見捨てることはない。これは自分が一番誇りに思うことだ。事実、今心配している子がいる。自分が悪いことを知っているから私の所まで来られない子がいる。ただ、その生徒の夢を私は知っている。何度も語ってきた夢だ。それをしっかり胸に抱いている筈だ。いつか、他の生徒と同じように、照れながらも尋ねてきてくれる事を願っている。受験とは良いものだ。本気で自分を見つめ直す事ができる。本気で学ぶことができる。全国の受験生もそのように臨んで頂きたいと願う。

2013/1/30


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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