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教育移住と英語

「教育のグローバル化と言語能力」

昨日の夜大阪に入り、本日早朝から読売テレビの「ウェークアップぷらす」に出演させて頂きました。この番組は、以前、アンパンマンの原作者「やなせたかし先生」がお亡くなりになったとき、VTRで出演させて頂き、今回で2回目です。今まで、他局でもありましたが、私が出るときには何かしら大きなニュースが流れ込んできます。大リーガーの一郎選手の移籍、芸能人の婚約発表、今回は、あの秘密保護法の強行採決でした。本来ご一緒出来ると楽しみにしていた石原環境大臣も、東京からの出演でした。

このブログも15万件を超え、多くの方にお読み頂いている。本当に感謝です。今日の番組では時間の関係で全てをお話出来なかったので、ブログで補足させて頂きます。結論からは、英語は、間違いなく私たちにとって2番目の言語になっていくという事です。ただし、英語を話せるからグローバルであるとか、国際感覚が身につくという事ではありません。言語習得と、国際感覚は別物です。これを一緒にした「教育移住」には、もう少し慎重な見方や、考え方が必要です。

国際感覚とは、日本人であれば、基本は我が国日本です。私たちは日本のことをどれだけ知っているでしょうか。私は19歳の時、初めて外国(イギリスを中心に)に行きました。ところが、学校で習った英語では全く役に立ちませんでした。更にショックな事がありました。当時大学2年生だった私は、様々な国の学生達と話す機会を得ました。その時、ある学生から、日本の地図を書いてくれと頼まれました。瞬間、頭が真っ白になりました。勿論明確には書けないものの、あまりの大雑把な地図に恥ずかしくなりました。その後、日本のことに興味を持っている学生から質問攻めにあいました。彼らは、自分の国に誇りを持っていました。あまりにも自分の国の歴史や文化をまくし立ててくるので、半分以上聞き取れませんでした。文化芸術の話から始まり、歴史的な部分では胸を張ります。自分の国と他の国を直接間接に比較する。これからの経済はどうあるべきか、19歳の私にとって、ただただ驚かされることばかりでした。つまり、国際感覚とは、自国の事を学び、知った上で、諸外国の人々と対等に論議できる力を持つことではないでしょうか。その為の共通言語が英語なのです。また、最近では、フランス語、中国語、日本語等も世界的なコミュニケーションを取れる言語として重要な位置にあります。諸外国の方々と対等に話すには、早いうちから外国語を学ぶ。つまり、日本語という世界的にも特殊な言語を持つ私たちの命題なのかも知れません。しかし、私が初めて外国に行った43年前から、我が国の受験を主とした英語教育は全く変わっていません。このままでは、英語を話せる日本人を育成することは不可能です。すると、なるほど教育移住という選択肢もあるというのもわかります。

番組終了後、慶応大学の片山先生、読売新聞の橋本特別編集委員との話の中で、「納得の上でも家族がバラバラに暮らす教育移住には疑問が残る。」という意見が交わされました。家族とは何か、夫婦とは何か、父親の役割、母親の役割、英語学習の重要性はよく理解できる、がしかし…。この疑問こそ、我が国が抱える教育問題でもあります。また、ここで原点のことばが出てきます。何の為に生まれ、何の為に生きるのか、そして、何の為に学ぶのか。日本を飛び出し、教育移住する方々を決して非難できるものではありません。また、今も教育移住をお考えの方々にも同じ思いです。しかし、家族という一番大切な場を大切にして頂きたいと願うだけです。

教育のグローバル化は我が国の英語教育を根底から変えるでしょう。それ以上に、指導者の脂質が今後益々問われてきます。第一外国語は間違いなく英語となるでしょう。では、その基本はどこにあるのか、それは思考の源である言語、つまり母国語である日本語の習得です。しっかりした考えには、それをサポートするだけの語彙数が必要です。語彙数の数だけ思考があると考えても過言ではないでしょう。この豊かな母国語を基礎に第一外国語の言語力が活かされてきます。また、日本の文化芸術、自然、科学、経済を語るにも日本語を軽視することは出来ません。このままでは、母国語も英語も中途半端な日常会話程度のレベルで終わってしまうかも知れません。

現代は、システム先行で動いています。人間の行動や思考はその後からついて行く格好です。このシステムやソフトが、速く人間とシンクロ(同期)させなければなりません。

2013/12/7


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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