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学習の基礎・基本

「原点に戻ろう!」

昨日は私の○○年目の誕生日でした。フェイスブックやメールからおめでとうのことばを、そして花などを頂戴しやはり、祝福して頂くのは嬉しいものです。教育を一生の仕事として選んでから37年になります。最近、ある方から「原点に戻るべきだ」ということばを投げかけられました。その原点とは、以前お伝えした、17年前沖縄で行われた研修会でした。

新規に立ち上げられた幼児教育団体に顧問として招かれ、教材開発や職員研修、そして塾の先生方に対する研修等を中心に活動していました。沖縄での研修がきっかけで、教育専門誌である月刊私塾界の連載が始まりました。懐かしく、そして貴重な研修ビデオからは、幼児教育という教育の原点に触れた先生方の興奮が伝わってきます。なんと、塾の先生方を対象にした研修会、「生命の尊厳」という内容から始まっていました。「選ばれた一つの命、皆平等に生まれてきたはずの子ども達になぜ優劣という差が生じるのか」、幼児教育者ならではの始まり方だと言われたことを思い出します。しかし、この数年後、我が国の教育は名ばかりの「ゆとり教育」を選択したのです。

子ども達の学力低下はここから始まりました。「ゆとり教育」は教育現場の学習指導に大きな影響を与えました。極論的に言えば、教師は真剣に指導しなくなた、子ども達は真剣に授業を受けなくなったと論じる方が出るほどです。

「子ども以上に、先生の質の低下が目立つと感じ取られたからこそ、幼児教育を柱とする教育の原点について語って欲しい」、このことばには驚きでした。私たち民間教育として、子どもの将来像をどう見るのか、それには逆算方式が考えられます。実社会に出る子ども達に必要な学習とは何か、ではそれをどこで学ぶか、学ぶ場所のレベルによって社会に出る門の広さが決まってくるのなら、大学受験を考えなければならない。このように大切な社会へのスタートを考え逆算していくと、間違いなく幼児教育にまで及んできます。そして、幼児教育では、生まれてから3年間隔で節目の年となっていきます。

まずは、3歳までの3年間をどう過ごすかが幼児教育の見方となります。スキャモンの成長曲線でも示されているように、3歳までの関わりがとても重要です。この間に大切な要素が、言葉の獲得と言語の発達で、もう一つが感覚刺激となります。次の6歳までに、言語の発達を基礎に具体的思考と抽象的思考が発達してきます。更に、この時期までの6年間は、性格の基礎と人格形成という大事な役目があり、心の発達に大きく関わりを持ってくるのです。次の3年間は、シングルエイジとして、基礎学習の習得期間となります。

以上の人としての基礎過程をどのように歩むのか、子ども達の将来を長いスパンで見ることが大切です。なぜ幼小中の一貫教育なのか、おわかりでしょう。幼児期の指導法は、全ての年齢で活用できます。基礎教育とはそういうものです。プリンスジュニアとプリンス進学院が新たに築いた新教室の展開は、他の民間教育の今後を左右するものだと思います。

子どもの能力差は、幼児期から始まっています。逆算してみると、幼児期の1年がとても大きなものだとお気づきになるでしょう。

2013/3/28


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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