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親の学歴と年収が子どもの学力に影響

「学力差は何故生まれる」

もうすぐ新学期が始まります。特に幼稚園から小学校、小学校から中学校へと大きく環境が変わる場合は、親子とも緊張するものです。また、保育園や幼稚園に入園する場合は、お互いの不安が重なり合います。

その中でも小学校入学は、子ども達にとって新たに学業を学ぶという大切な目標があります。学ぶと同時に、学校から、子どもの学業に対する公的な評価が加わるのです。この公的評価は、転校に伴う編入や、受験などの際とても重要な個人情報となるのです。学んで生きる、つまり学生と名が付くと、必ずついて回るのが成績という評価です。学力新時代を迎え、小学生から学習について真剣に考えておかなければならない時代に入ったと言えます。

しかし、低学年の学習は何故か軽視されがちです。それは、学習内容に関係しています。算数では足し算や引き算、そしてかけ算など保護者が容易に教えやすいという錯覚を起こすからです。また、漢字も小学3年生までの440文字はあまり難しくなく、後からでも大丈夫という、これも錯覚をしてしまいがちです。所が、学力遅滞の原因、落ちこぼれの原因となる学力不足はこの低学年の学習に集中しています。子どもの学力不足は、保護者の学習に対する無関心から生じている場合が多く、低学年だからまだ大丈夫という、変な安心感が子どもの学ぶ力を少しずつ低下させていきます。そして、昨日も文科省から発表があったように、学力の差は、保護者の学歴や年収に比例するという報告がされました。逼迫した経済状況に加え、増税と値上げラッシュにより、家計は益々厳しい状況に追い込まれていきます。家計を預かる主婦としては「冗談じゃない!」と言いたくなるでしょう。基礎教育の重要性はわかっていても、幼児教室の費用は1万円を超えます。誰もが幼児から通える金額ではないでしょう。

「学歴や年収で子どもの学力に差が出る」こうした結果は、教育界に身を置く者として何か釈然としない気持ちになります。子どもの学習を考える余裕がない、その傾向は、あの「ゆとり教育」と長引く不況によってもたらされた保護者側の閉塞感が手伝っていると思います。悪い要因が重なり、其のしわ寄せは子ども達の学力に現れてしまった。親に心の余裕がない、それはそのまま子どもへの無関心に繋がります。学校さえ行っていればいい。こうした環境にいる子どもは「家庭学習」の習慣が出来ていません。塾や学習教室に通えるか否かではなく、家庭学習の有無が決定的な差を生んでいるのではないでしょうか。私は、単純に学歴や年収でとは考えていません。現在社会で表面化し始めている「育児放棄」、ベビーシッター事件を考えるまでもなく、こうした制度に対して、立法と行政の立ち後れは今に始まったことではありません。何故なら、常に、一部の所に焦点が集まり、弱者は切り捨てられてきたからです。一つの事件の背景には、30の具体的問題があると言われます。その具体的問題の一つが今回の成績の格差です。二極化ということばが既に定着しているように、このまま放っておくと大変な事態を引き起こしかねません。

学力差はこうして構造的な背景があり生じているように思います。社会の閉塞感は若者から子ども達にまで及んでいます。そして、学力の低下は子ども側に責任を課しています。学力差が、学歴や年収の差と限定するのではなく、私たち大人ももとは子どもでした。自分がそうであったように、我が子に対する関心をもっと深め、最低限の学習環境を与えてあげるべきだと思います。そして、もっと子どもと語り合いましょう。学力はやり方次第で上がります。

2014/3/29


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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