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空間認知能

「脳の各部に影響を与える空間認知」

幼児教育ではよく「空間認知」という言葉が使われます。しかし、それが何か、子どもの能力とどう関係するのか、また、どのように鍛えるのかを知る人は少ないかも知れません。

空間認知、つまり、私達を取り囲む空間ですから、広さ、奥行き、形、位置などを認識する能力を指しています。更に、脳の機能に関する言語・記憶・計算・運動等の機能に加え認識力や判断能力にも影響を与えると言われています。今朝の読売新聞では、国公私立大学の学長へのアンケートで、学長の85%が学生の学力が不足していると回答しています。また、社会でも若者に対し、近年仕事に対する要領の悪さ、物事の手順の悪さを指摘するケースが増えていると言います。若い人や、学生、子ども達の現状を分析すると、社会環境の変化と照らし合わせ、ある結論が見え隠れしてきます。

これからの教育では、子どもの成長を「0歳」から、もしくは「胎教」を通してしっかりと見ていかなければならないでしょう。私達は、幼児教育の柱を「もじ」「かず」「ちえ」としました。しかし、それだけでは子どもの成長をカバーできません。子ども達に起こっている問題点を探ると、ある一つの問題に辿りつきました。それが「感覚教育」です。この感覚教育は「空間認知能」と深く関わっています。五感と呼ばれる感覚器官から、更に一歩踏み込み、前庭感覚・固有感覚と刺激と指導の幅を広げ、子どもの成長を広範囲にカバーできる教育体系を考えたのです。これらを総合的に考えると、教育改革を支える幼児教育の存在が益々重要性を帯びてくると思います。何故なら、こうした感覚・認知能力が最も成長する時期が幼児期だからです。それまでの大まかな脳の発達という見方から、知的発達をカバーする空間認知能や感覚教育の整備が必要になるでしょう。

空間認知能は、空間認知中枢が主にその機能を担うのですが、言語中枢や運動機能中枢など、脳の様々な部位に空間認知機能を持った細胞が存在していると言われています。この機能には、絵画などのスケッチ、文章を読んでイメージする能力、バランスを必要とする自転車、平均台、ボール投げ、キャッチボール、サッカー・バスケットボール・バレーボールなどの球技等に活かされています。スポーツでは、距離感=目測、スピード、動きからの予測、対象との位置関係等で空間認知能はフル回転します。最近、スポーツ選手に頭脳明晰と感じている方は多いのではないでしょうか。先日も、移籍を発表したサッカーの本田選手が流暢な英語で外国人記者と受け答えをされていたシーンをご覧になった方も多いでしょう。優れた運動神経の持ち主は、空間認知能力に優れ、それが他の脳の機能を押し上げています。

もじ・かず・ちえ、幼児教育の基礎指導の柱は主に知的能力です。知的能力を更に高めるには、脳のパフォーマンスを上げなければなりません。これまで「古い」と見過ごされてきた姿勢の矯正、書写指導でただ一つの指示である「文字を丁寧に書く」は正に空間認知の為の指導と言えます。また、先ほども述べましたが「感覚教育」「感覚運動」の積極的指導は脳のパフォーマンスを間違いなく上げてくれます。学習の低年齢化に伴い、その需要の増大に応える為にも、幼児・小学生教育もその質の向上が必要になってきているのだと思います。

2013/1/8


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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