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個別学習指導

「認知カウンセリング」

個別学習指導は未だに人気があります。個別学習と集団学習、双方共に長所短所を併せ持っています。今回取り上げた個別学習指導は、側面認知カウンセリングと言える面を持っています。本来の個別学習指導とは「生徒が、教科の問題解決学習を自立的に進めていく指導」のことを言います。また、この指導に関連して、最近よく使われる言葉に「ストラテジー」があります。これは、学習という課題に即した具体的な行為やプランを指しています。個別指導では、当然のことながら集団と違い、学習は個人の能力により学習プランは異なります。そして、重要なのが、問題解決学習に対する動機付けを高める事です。問題を個人的ペースで数多くこなす事だけでなく、「問題から何を学んだのか」が大切なのです。

個別学習を通じて特に重要になるのが指導者の発問です。初めての問題で解けなかったとき、「何故、出来なかったんだろう?」という発問です。学習の過程、過程で「いったいこの問題から何を学んだのか」を常に明確にしておく必要があります。上手く解けなかった時でも、こうした問いから思考を明確にする事が重要です。解けなかった問題の分析的思考は、問題を深く理解する上できわめて重要な事です。主に数学(算数)や理科では、深く問題を理解しなければ転移する問題の応用について行けなくなります。「何故」という発問から、新たな問題に対する思考が深まり、一般的な「ドリル学習」では学び得ない「応用力」に繋がって行きます。

以上のことは、ケアレスミスの指導にも繋がります。間違えた問題を追及し、何故間違えたのか分析する。そしてもう一度同じような問題を行い「改めて問題を解いて何が解ったか」という事例を数多く蓄積することが重要になってきます。全ての問題が最初から理解出来て、問題もすんなりと解けるなどそうそうあり得ることでないでしょう。個別指導では、解らないことをただ教えるという単純な指導ではなく、本来の個別学習指導は、「何故」ということから真理探究がされ、自ら問題を解決していく力を身につけることにあります。こうした問題解決学習は正に「学習の認知カウンセリング」といえると思います。間違えた問題を「何故、出来なかったのか」「この問題から何を学んだか」を認知することがこの指導の要となります。よく言われるドリル学習による定着は、同種の問題には精通していても、問題の本質に迫ることが少ない分、応用力に至る事はないでしょう。

最近、個別学習指導で行うと依存心が強くなり、自分で考えようとしないという相談が数多く寄せられるようになりました。個別指導という言葉だけで判断せず、本来の目的・目標をしっかり認識して置くべきでしょう。こうした本物の学習の底辺にあるのが、基本的教育論です。

2014/5/7


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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