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子ども達の壁

「ことばの壁、思考の壁」

幼稚園や保育園と小学校の違いをご存じですか。意外と知られていないことですが「ことばの違い」なのです。昨日は、縦割り社会の弊害について教育とからめお話をしました。幼児と小学生指導で一番の壁がこのことばの違いなのす。小学校と幼稚園などの交流は、子ども同士の交流だけでなく先生同士の交流も必要です。しかし、これが行われていません。何故ならば、小学校の先生は学習指導が中心で、生活指導を大切に扱っている幼児指導とは、使われることばは大きな違いがあります。ことばの習得が遅い子どもはこのことばの壁をなかなか乗り越えられません。学習を成立させることばの未習は、小学生にとってとても大きな問題です。幼児対象のことばと、昨日まで幼児であっても、入学してからは、その日から小学生です。当たり前のようですが、初めて会社勤めをする学生以上のカルチャーショックを受けるかも知れません。最近の幼児は親子間で母子分離が出来ていないケースが目立ちます。独立心や自立心が育てられていない子どもほど小学校生活は厳しいかも知れません。

また、躾を受けていない子どもも目立ちます。中には、入学式からふて腐れ、先生に罵声を浴びせる小学1年生もいます。こうした子は、大人と自分を同等と見ています。勿論、先生への尊敬の念など持ち合わせていません。言葉遣いも汚く、この言葉に比例して授業態度も悪いのが特徴です。親から、本来指導を受けるべき大切な事を受けられなかったのです。この子の責任ではありません。はっきり申し上げて両親、保護者の責任と言えます。この状態を放っておき悪化させると、先日問題提起された「ゼロ・トレランス指導」の対象となっていきます。ことばの扱いは、幼児期最も注意すべき指導対象なのです。

さて、中学生ですが、小学校と中学校で最も大きな違いは、教科担任制です。代わる代わる先生が教壇に立ち、その先生の指導になれることが出来ない生徒は多数います。特にコミュニケーションを上手に取れない子ほど悩みます。このことを経験している大人は、当たり前の事として受け止めるでしょう。しかし、子どもは、特に現代の子ども達は人間関係のとり方が下手なのでとても苦労します。友達も色々な小学校から来るので、6年間も慣れ親しんだ人間関係とは違うことで、ここでも悩むことになります。教科面で見ると、考が方が今までとは違う「数学」指導で悩むことになります。特に、小学校の算数で取りこぼしの多い子は、数学の考え方について行けません。抽象思考を多用する数学は、より論理的思考が求められます。ですから、最初の「正と負の数」で躓きます。この中学1年生の学習の躓きはそのまま続き、その後行われる文字式と方程式で大きく差がついてしまうのです。

今論じられている一貫教育の真の意味はここにあるように思うのです。問題点の分析と対応は、公立の学校で出来るのでしょうか。制度だけに目を向けるのではなく、こうした内容にまで目を向け論議すべきだと思います。本来の一貫教育は、民間教育で実践され、成果が出てくるのかも知れません。

2014/6/14


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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