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伝える事の難しさ「独り言」

「生きるための言葉」

教育現場では「ことば」がとても重要になる。もし言葉が通じなければと考える人はそう多くはないだろう。以前、ブログで書かせて頂いた事があるが、イギリス ロンドンから車で1時間ほどの所にあるレディングという所にある大学に招かれた。同行されたのは北海道のM先生、岡山のM先生で、民間教育の中でも中心の先生方だ。訪英する前から、教務主任の教授から私達の授業を是非見せて欲しいと懇願されていた。本来は、大学訪問が目的だったが、小学校も見学させて欲しいと頼んでいたのがきっかけだった。私達はそれぞれの考え方で授業に臨んだ。

子ども達は小学3年生、担任の先生も素敵な方で、持ち時間を頂いたが、大きくオーバーしてしまった。「英国の子ども達に日本の教育を」私の指導法に興味を持たれていた教授は、学生に教育学を指導されていた。私は日本語による、漢字教育をフラッシュカードを通じた授業で試みた。面白いことに、生徒の英語と、私の日本語が驚くほど絡みついていく。イメージ、ジェスチャー、日本語、英語、漢字教育は世界共通の言語であることを再認識した。表意文字・象形文字、絵は意味を表す。同時にイメージを持たせる。更にフラッシュカード指導も最初子ども達は目を丸くしていたが、漢字を見て英語で返すという今までにない展開となった。ことばを介して伝える事は難しい。それが英語と日本語ではその間に壁があるだろう。しかし、互いに共感すると、あれほど抵抗感があった外国語を見る目に変化が生まれる。好奇心という変化だ。自分の使うことばと漢字がシンクロしたとき、子ども達は感動したという。
外国語が身近になった。

教育は多様化してきた。世界標準という新たな国際教育プログラム「国際バカロレア」も新年度から数多くの学校で導入されるだろう。すると、益々「ことば」の重要性が鍵になる。思考・表現・伝達・記録・想像・創造という教育に欠かせない条件を満たすには「ことば」の力を借りなければ不可能だ。しかし、残念ながら現代社会はこの言葉が秩序なく横行し氾濫している。多くは、ことばの持つ大切な役割を果たしていない。役割の一つである「伝える」とは、「だます」という事を目的としていない。「あざむく」という事のために使うことも。有名ホテル、旅館、料亭、レストランの食材詐欺事件(敢えてこう表現させて頂いた)も、その献立・メニューだけでなく、記者会見までも「ウソ」で塗り固められていた。使う人間を通してことばの醜さを表現してしまった。

今なお続く「いじめ問題」学校側の対応にも「ことば」の乱用が目立っている。心はことばで作られると私は言い切った。だから、子ども達に生きたことばを伝えなければと思っている。保護者の了解を得て、語彙獲得の為の授業を行うことにした。まずは試験的に年中の子から開始する。ことばを吸収し始めている時期であり、いつも沢山話しをしてくれる。思考力を付ける為にも語彙は必要だ。生きたことばを数多く吸収して貰い、同時に思考を促していく。昨日も表記したが、教科書のページ数増量は何を意味しているか。子ども達に必要な力は何か、一歩先を見て子ども達と共に歩みたいと思う。子ども達には生きたことばが何よりも必要なのだ。

2013/1/16


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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