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学習「5大要素」

「本物の基礎学習に迫る」

原点回帰、正論回帰、指導要領の変更に伴い、ようやく教育論や指導論を本気で語れる時代が来ました。ゆとり教育の影響からか、物事に対して短絡的な考え方や捉え方が主流になってきました。人の話を聞くことも苦手になっています。これらは子どもだけに限ったことではありません。これからの教育には、指導者の質、保護者の質、子どもの質が問われます。しかし、幼児期に限っては、保護者と子どもはまだ成長過程にあります。勿論小学生の低学年も同様です。

人は、何の障がいもなく生まれた場合、平等に140~150億の脳細胞を持っています。誕生後、様々な刺激や指導を受けて育つのですが、成績表のつけられる時期になると、子どもの間に優劣が付いていることに気付かされます。同じ数の脳細胞を持ちながら、なぜ優劣の差がつくのでしょうか。遺伝でしょうか、環境でしょうか、食べ物でしょうか、育て方でしょうか。例外として、幼児期は月例と言う違いがあります。同じ年度に生まれても、最大1年の差が生じてしまいます。4/2生まれの子と、4/1生まれの子です。

生まれたばかりの子どもの脳は、まだ神経と神経の配線が未発達です。この未発達の脳は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・前提感覚・固有感覚等の各感覚器官から受けた刺激(学習)を通し配線付けされて以下います。この脳のネットワーク作りである配線付けは、その頻度、繰り返しによってつけられていきます。この配線付けは、3年後およそ全体の62%、6年後は80%に達してしまいます。幼児教育のPRでよく言われる「人は3歳までに決まる!」はここからきています。3歳までに62%というのは驚異ですが、大切なことは「繰り返し」ということです。繰り返される情報は、脳内で「大切な情報」として処理されることです。この認識が生まれることが大切なことで、その後の学習にも大きく影響してきます。お分かりでしょう。繰り返し学習の大切さが。

今日、今春大学を受験した生徒が兄妹で報告に来てくれました。兄妹のダブル受験だったのです。兄は、滑り止めの防衛大学へ、妹は将来看護師になりたいと言うことで、医療系の公立高校を受験しました。あいにく兄は、センター試験当日インフルエンザにかかり、第一志望の国立大は断念しました。というより、是非防衛大へと保護者側の強い意志が反映されていると思います。塾の友人でもあったN君は、強い希望で北大に合格しました。彼らは、繰り返し学習を受けてきた子達です。幼い頃から、アップル(私の塾)に通ってきていました。

フラッシュカード・タイル指導等々、基礎学習を徹底的に行ってきました。

脳は使えば使うほど生き生きと働いてくれるとっても働き者の器官です。幼児期のゲームの影響についてよくご質問がきますが、遊びが多様化し、必然的に幼児の遊びも変化してきました。それまでの手先や指先を効率よく使い、空間認識にも優れているお手玉は、幼児にとって最高の遊びです。今の遊びは電子ゲームに取って代わり、子どもの能力開花にはあまり関係がないようです。特に男児が電子ゲームにはまりやすく、後のスマホ依存症につながると警鐘を鳴らしています。それは、楽で楽しいゲームに脳が慣れ、繰り返し行われることで悪しき定着となってしまうようです。繰り返しもこれではよい効果は得られません。

幼児は学びたがっています。それは人としての本能です。脳が刺激という学習を最も欲している時期が0歳から3歳です。抽象思考が働き始める3歳以降、自己学習へと目覚めていく時期です。それが「疑問」という自己学習の源です。そして、疑問を解消するために多くの語句を覚えていきます。彼らの学習への 意欲を見逃さない保護者や先生は子どもに沢山話しかけます。そして子どもの話に熱心に耳を傾けます。その結果、6歳では最大5000語という語彙数の差になって表れます。

子どもの成長発達はとても早く、能力や知能に関わる時期は短いのです。この時期を見逃すことは、後に能力差となって表面化してきます。ヘッドスタート、人の学習開始時期をどこで定めるか、それは保護者に委ねられています。

2013/3/29


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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