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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#幼児期

教育の可能性

「新たな教育の幕開け」 早くても2016年から始まる可能性のある義務教育の年齢引き下げ、対象は年長児となる。当研究所では、既に2歳児から学習の体系化が出来ており、対応する教材(プリント)も出来ている。当研究所では、幼児から、幼児の国語(言語指導)、幼児の算数(数指導)を指導の柱としている。しかし、幼児期には、こうした知的学習だけでは幼児の発達を十分にカバーできない。それは、各種概念形成に必要な学習が必要だからだ。幼児期では最も重要視されるのが「言語」であり、もう一つが「知覚

常識が崩れるとき

「先天的か後天的か」 連日、警察から小出しにされる「佐世保髙1女子殺害事件」情報に、私達は振り回されているようだ。この10年前後に起きた事件、とりわけ若い世代が引き起こした事件には今まであった犯罪に至る方程式は通用しなくなってきている。一般常識を越えた犯罪に理解不能の大人達は言葉を失っている。知識や常識では判断できない事件が相次いでいることから、この事件は、より困惑の色が濃くなってきた。  家庭環境、教育環境、社会環境等々、考え直す点は多々あることは間違いないことだが、私

新しい犯罪の兆し 独り言

「佐世保髙1女子殺人事件から」報道の二極化も! 連日トップニュース扱いされる佐世保で起きた髙1女子殺人事件。年頃のお子さんをお持ちのご家庭では他人事と済まされない事件だ。報道からもたらされる情報が断片的で、それも被疑者の異常性をことさら強調する文言の扱い方に疑問を感じる。ネットでは、被疑者の名前、顔写真(父親まで)がアップされ、報道の二極化が始まっている。事実と憶測が乱れ飛び、本事件の本質から次第に遠ざかることを懸念する。  過去の青少年犯罪は、その犯罪に至る過程で一般的

長岡から発信

「指導しにくい子が急増」 昨日は6時に新潟県長岡に入り、食事先の一室を借りて、テレビ朝日のグッド・モーニングの電話取材を受けました。この前に、同じテレビ朝日のモーニングバードからも依頼があったので対応に追われてしまいました。どちらも、愛知で起きた「いじめられている子をかばった子が虐められた」という問題でした。6月11日のモーニングバードに出演の際、「ゼロ・トレランス指導」が話題となりました。今回の事件は、この時の報道に繋がる内容で、出演されていたサッカー解説者の松木さんが仰

知育・徳育・体育・食育

「入学準備」 昨日の「食育」は、ブログ更新後、注意欠如症について書き加えましたのでお読み頂ければ幸いです。 現在、年長児の保護者の方から、小学校入学準備についての御質問を多数頂きました。入学という新たな環境に向かう子ども達にどのような準備、対応をすべきかお話しをさせて頂きます。特に年長児に限定ではなく、お読み頂くとよいのではないでしょうか。 まず、精神面のお話しをしておきましょう。近年、精神的に成長仕切れない子どもや大人が急増しています。本日も兵庫県議の号泣記者会見が朝

知育・徳育・体育・食育

「脳を守る」 教育の柱には、知育・徳育・体育・食育があると言われています。日常生活に照らし合わせ、最近になって注目されてきたのが「食育」です。食事は、生命を保つために欠かせないものです。そして、身体をコントロールする脳にも大きな影響を与えます。食育にも幾つものテーマがあり、同時に家庭力や親力が問われます。 身体の成長と栄養(成長に必要な栄養素) 脳の成長と栄養(脳を育てる栄養) 食事の内容(偏食・好き嫌い・和食の薦めなど) 食品添加物の影響(アレルギー・精神障害など

されていない学習指導?

「幼児教育を考える」 学習活動の中で、集中力・記憶力は共に関心度トップです。保護者も、子ども自身も、自分の学習活動の中で足りない力が何であるかほぼ解っています。関心度トップである集中力・記憶力ですが、共に語彙力が鍵を握っています。また、語彙力の影響は理解力や読解力まで及ぶとなると無視は出来ないのですが、語彙数はおいそれと獲得出来るモノではありません。また、子ども達の学習活動は、自発的と言うより、「やらされている」という状態が多くあるように思います。自立を促す筈の学習が、無理

ことばの教育「インプリンティング」

「話して聞かせる」 文科省の推し進める教育改革の骨子が次々と発表されている。学制の変更は昨日も申し上げた通り。教育委員会の改革も、各自治体主導の考え方がある。力には力という論理の集団的自衛権問題や、特定秘密保護法等と相まって、知らぬ間に軍事国家、警察国家のような様相を呈してきた気がする。教育者として、親として危機感を感じている。 退廃した社会、閉塞感の漂う社会、今問題視されている「居所不明児童」のように、犠牲になるのは常に社会の弱者達だ。選ばれた命としてこの世に誕生し、本

何歳からでも才能は伸ばせる?

「レッテルを貼ってはいけない」 教育に携わる者に取って、子ども達の学習開始年齢はとても気になる重要なテーマです。特に幼児教育者にとって、学習の開始年齢による子ども達の知的発達は重要課題です。実際、2~3歳に始めた子と、4~5歳から始めた子の比較では言語生・巧緻性・表現力・集中力などに現場感覚ではありますが差が生じていると認識しています。と言うのも、幼児に対する能力を見極める判定が難しく、いわゆるテストのようなプリントの出来などで判断することが難しいからです。 幼児教育では

思考力を鍛える「数・算数」

「計算:図形:量と測定」 数・算数学習の中で、計算指導に暗記学習=記憶学習があるとお伝えしました。これは、タイルという具体的に計算指導ができる教具が無い時代が長く続いたことが原因としてあげられます。また、我が国では「そろばん」という計算に便利な道具がありました。また効率的な学習をと考える人は「電卓があるじゃないか」と言い切ります。そろばんはともかく、電卓を持ち出されると、計算指導は電卓の機能説明となってしまいます。考えなければならないのは、計算だけが算数や数学指導ではないと

思考力を鍛える「数・算数」

「計算:図形:量と測定」 保護者の方や、先生方の中に、私は言語教育の専門、国語指導の担当と見られている方が数多くいらっしゃいます。私は、ある幼児雑誌で、5年間、水道方式をベースとした「数の学習1・2・3」と題して連載をしていました。本来小学生向けの水道方式を幼児教育の数指導に活かす研究と実践をしていたからです。その過程で、数・算数・数学を指導している立場から言語教育の重要性を肌で感じ、言語教育及び指導についても学んできました。思考と言語の関係、そして、これから問題視されてく

学力向上

「語彙数獲得に向けた積極的学習指導を!」 教育再編は、公も民もなく、互いに協力して推し進められて行くという方向が次第に明確になって来ました。学習の低年齢化に伴い、当研究所でも、幼児期の学習体制の見直しと指導の研究開発及び教材開発はこれからの教育を目指した命題となりました。子ども達の学力向上に、幼児期からのヘッドスタートが当たり前となり始めたからこそ、今一度、総合的な内容の見直しと組み替えが急務と言えます。 子ども達の学力は、このブログで繰り返しお伝えしてきたように、言語教

学習の段階

「余裕をもって」 学校で使用されている教科書は、指導要領で定められた学習内容が、学年毎にまとめられています。教科書は、義務教育の現場で使用することから、1年生算数で言えば「初めての算数学習」なので、学習レベルは基礎レベルとなっています。中学受験のテスト問題を解かれたことがありますか。受験レベルの算数問題は非常に高く、塾などの高度な指導を受けなければなかなか解けるものではありません。教科書が基礎レベルであるだけに、学校の授業では追いついていかないのです。 ゆとり教育が、子ど

知識と思考

「幼児期の指導」 教育の再編で、子ども達には今まで以上に考える力が求められるようになりました。幼児教育者としては、子ども達に考える場を提供したいのですが、非常に残念なことですが、その題材は殆ど全てが指導者側から発せられています。私たちはそこで錯覚してしまうのです。「子ども達に考えさせている」と。これは、一見、考えさせる授業をしているように見えますが、子ども達からは一方的な質問であり、受け身の授業となっているのです。しかし、この指導は決して間違った指導ではありません。ただし、