マガジンのカバー画像

教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

540
現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
運営しているクリエイター

#研修

長岡から発信

「指導しにくい子が急増」 昨日は6時に新潟県長岡に入り、食事先の一室を借りて、テレビ朝日のグッド・モーニングの電話取材を受けました。この前に、同じテレビ朝日のモーニングバードからも依頼があったので対応に追われてしまいました。どちらも、愛知で起きた「いじめられている子をかばった子が虐められた」という問題でした。6月11日のモーニングバードに出演の際、「ゼロ・トレランス指導」が話題となりました。今回の事件は、この時の報道に繋がる内容で、出演されていたサッカー解説者の松木さんが仰

保育園の取り組み

「保育士のレベルアップに臨む園長」 私は、以前、故水野茂一先生、故七田真先生と共に、幼児教育の可能性を追求してきた。現在も総幼研(総合幼児教育研究会)として全国の幼稚園を保育園でこの指導を取り入れている。この頃からのお付き合いである新潟の長岡にある保育園園長から研修のご依頼があった。保育園としての活動以外に総合教育をされている。保護者は、保育園に通いながら都心にある幼児教育と同レベルの授業を受ける事が出来る。市内の幼児教室はあるが、週1回の授業に対し、毎日の活動となると保護

生命誕生と胎教

「体内環境とその後の子どもの性格」 遺伝子科学、脳科学、子どもの能力に関わるものとして、優秀な両親のDNAを受け継ぐ子どもの能力は本当に高いのか、また、生後の環境によって能力(脳力)は大きく左右されるのか、こうした人間の知的発達について多くの論議が巻き起こります。しかし、こうした脳の発達に関係する仮説として、新たに体内環境(両親の胎児に対する愛情と理性的関わり)が加わってきました。極論からすると、両親のDNA+体内環境+生後環境が整えば、かなり優秀な人間になると考えられます

伝える事の難しさ「独り言」

「生きるための言葉」 教育現場では「ことば」がとても重要になる。もし言葉が通じなければと考える人はそう多くはないだろう。以前、ブログで書かせて頂いた事があるが、イギリス ロンドンから車で1時間ほどの所にあるレディングという所にある大学に招かれた。同行されたのは北海道のM先生、岡山のM先生で、民間教育の中でも中心の先生方だ。訪英する前から、教務主任の教授から私達の授業を是非見せて欲しいと懇願されていた。本来は、大学訪問が目的だったが、小学校も見学させて欲しいと頼んでいたのがき

見捨てられていく子ども達

「教育改革の裏側」 1961(1380P)100.00  1971(1332P) 96.52 1980(1116P) 80.87 1992(1080P) 78.26 2002( 930P) 67.39 2011(1364P) 98.84 上にある数字から何を連想されるだろうか。最初にある数字はお解りの通り西暦何年かを表している。( )の中の数字は、小学校算数6年間分のページ数になる。一番右側の数字は、1961年を100%とした割合を示している。数字はウソをつかな

心の健康「独り言」

「心の成長を」 昨年暮れから頻繁に母の所へ行くようになった。正月も、この連休も母を訪ねた。もうすぐ93歳になる母がとうとう寝たきりになった。気丈な母は、人の面倒になる事を嫌う。妻が、母の好きな料理を食べやすいように作り母に届けてくれる。母は、私の名前より妻の名前を呼ぶ回数が多い。「○○さん、手間かけさせてもうしわけないねぇ」「○○さん何してるの?」「○○さん、遅くなるから早く帰って」、常に人を気遣う母は、沢山の感謝の言葉を口にする。それは、介護ヘルパーさんにも同じだ。私は、

ご質問から

「音読指導について」 小学生1年生をお持ちの保護者の方から、「音読でひらがながすらすら読めないどうしたらいいか」というご質問がありました。既によくコメントをお書き頂く「森下」さんがお答えのように、音節指導が効果的だと思います。そこで、言語教育の指導を改めて考えて見ましょう。 言語教育は母国語を習得した2歳から指導を開始します。大切な事は、ご両親から愛情の籠もった美しい言葉の数々を受け、母国語を学ぶ事です。教育の基本はここから始まります。私は、幼児教育の中の言語教育を、幼児

空間認知能

「脳の各部に影響を与える空間認知」 幼児教育ではよく「空間認知」という言葉が使われます。しかし、それが何か、子どもの能力とどう関係するのか、また、どのように鍛えるのかを知る人は少ないかも知れません。 空間認知、つまり、私達を取り囲む空間ですから、広さ、奥行き、形、位置などを認識する能力を指しています。更に、脳の機能に関する言語・記憶・計算・運動等の機能に加え認識力や判断能力にも影響を与えると言われています。今朝の読売新聞では、国公私立大学の学長へのアンケートで、学長の85

学習と緊張感

「スリル・スピード・サスペンス」 私は立場上数多くの先生方の授業を見る機会があります。最近、民間教育は個別指導が中心となり、授業というより、その名の通り「指導」という言葉の方がぴったり来るようです。子ども達の環境は、少子化も手伝い、集団で切磋琢磨し刺激し合うというより個人に偏る学習が目立ちます。しかし、学習の主体となる学校は間違いなく集団授業で指導が行われます。幼児教育も少集団で行われるのですが、「子どもは集団で育つ」という言葉通り、少なくとも1クラス8名前後の人数が最適と

この1年間有り難うございました。

「約束達成です!」 子ども達に学習は毎日の積み重ねとことある毎に説いてきました。言葉だけでなく大人として、教師として、手本となる具体的行動で示そうと自分自身に、今年元旦からブログを毎日更新する事を課しました。途中、回線が通じていない田舎に行っていた数日間は、日記として、PC上に綴っていました。その内容は、1日1回更新ではなく、複数にすることで、その日記をアップしました。両目白内障手術の時は、事前に書きためた内容をスタッフにアップして貰いました。何度となく更新が不可能になる状

生活と学習

「1,記憶力」 学習現場では、常に子ども達の学力を上げるための論議が盛んに行われています。その殆どが、フラッシュカードや暗記、繰り返し学習などの指導法に委ねられるのですが、別の角度から考えると、記憶は何によって蓄えられるのかを考える必要があるのではないかという疑問が出てきます。 記憶には、宣言的記憶(意味記憶・エピソード記憶)と手続記憶の2つがあります。基本的なものは宣言的記憶で、言語によって記述できる事実に関する記憶です。つまり、記憶には「ことば」が必要だということが解

生活と学習

「1,記憶力」 学習を通じて、記憶力に悩む子ども達や保護者の方々を多く見かけます。学習だけでなく、記憶は私たちの生活と密着しており、年齢を重ねると痴呆と呼ばれる記憶障害に悩む年配者も増えてきます。記憶は、年齢を問わず、私たちの身近なテーマだと言えます。 時代は、知識偏重と呼ばれる、単に知識を有しているからと言って、「知識だけでは何も創造しない。」とまで言い放つように、思考重視の道を選択しました。これは、今までの暗記に頼る学習を半ば否定しています。ここで言う「暗記」と「記憶

学力をつけよう!

「基礎教育のスキルを持つ塾へ!」 今年行われた全国学力テストの結果から静岡県の川勝平太知事が、下位の校長名を公表するという考えを示しました。国の実施要領では各都道府県の教育委員会に市町村名や学校名を公表しないよう求めています。今回の学力テストで、成績が悪かった順に100の学校の校長名を公表するとした川勝静岡県知事の理由は以下の通りです。 子どもに責任はないということを明確にするため 最低というのは教師の指導が最低ということ (教師は大人として責任を持ち、反省材料して欲

体験の伴わない知識の末路(独り言)

「いらない知識と必要な知識」 このブログでも時々登場する日曜の午後のテレビ番組がある。若い女性に街角で指定された料理を作って貰うという、この時代を象徴する恐ろしい企画だ。今回は「レンコンのはさみ揚げ」、毎回、この番組のスタッフが凄い。今時の子だからと、想定されるあらゆる物を用意する。その想像力に脱帽してしまう。 彼女たちは、ファッションや流行には高い意識を見せるが、料理には意識は向かないようだ。今回、番組のスタッフが用意したものの中に、ハンバーガーのパンが用意されていた。