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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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2023年4月の記事一覧

明日の教育「独り言」

「覚える教育からの脱皮」 学校の行われる指導の中で今でも根強くある「暗記学習」。この考え方は、時代を経て「記憶」という言葉に置き換えられてきた。覚えることが良いことだと、まさしく記憶力を付けることが学習の基本に据えられていた。しかし、最近にこの指導に疑問を感じてきた。それは隣国からの情報からだった。私から見て、今の中国、韓国、北朝鮮の教育は、その中心に政治の力を感じる。幼い頃から、政治色の強い歴史の事柄を教え込まれる(記憶)。教育の中立性を考えると、決してあってはならない事

思考の前の知識

「基礎がものを言う」 ES細胞やiPS細胞とは異なる新しい万能細胞、『STAP細胞』の作成に成功した小保方晴子さん。これは我が国の基礎研究レベルの高さを世界に知らしめた。しかし、その画期的な、また常識破りの論文であったため、昨年春、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している。」と酷評され、掲載を却下されたと言う。なるほど、こうした知識偏重と権威主義が科学の進歩を遅らせる事もあるのだといことを知った。いずれにしても、こうした

幼児教育の成果

「民間教育のチャレンジ」 石川教育研究所で作り上げた幼児教育のカリキュラムは、子ども達の発達段階を踏まえ、無理のない形でステップアップできることを意識して組み立てた。それは、基礎教育を支える指導理論と長年の教育活動、更に発達心理学などを踏まえ作成されたことは言うまでもない。このカリキュラムに則り教材も研究開発されている。幼児の知的吸収力には目を見張るものがある。それは、丁度生まれたての馬が必死に立とうと、何度も転びなら立ち上がる姿と重なるところがある。興味本位な内容を学習に

夢と受験

「子ども達と語る」 私立高校受験結果が出始めた。以前は公立志望の生徒が多かったが、最近では、次の大学そして社会への旅立ちを考え、私学に進むようになってきた。それは、私学が大学進学にきめの細かい指導をしてくれるからだ。昨年、国立大に合格した生徒達も、全員敢えて私学を選択した。今年、私学への志願者は全員合格を果たしたが、まだ終わってはいない。彼らには、更に特進クラスなどへ進むための合格者対象の特進クラス選抜試験が待っている。高校受験は、合格したらそれで終わりではない。彼らは義務

親の目・子の目

「子どもの本音」 子育ての中で、親の頭を悩ますのが、何度言っても一向に直らずイライラしてしまうことではないでしょうか。「わかった」と聞くと「わかった」とは言うのですが、勿論、お母さんは見抜いています。さて、こんな場合どうしていますか。 以前、「おかあさんの”あ!”」という子どもの作文を読んだことがあります。これが実に面白い作品でした。お母さんのことをよく見ているなあと感心してしまいました。掻い摘んでお話しすると、『私がコップを倒し、テーブルに水がこぼれると、お母さんは「あ

考えられない中学生

「思考の道筋」 3+X=8、等式の性質を使った基礎的な方程式だが、中学1,2年生の中で理解出来ない子ども達が多数いる。中受験をする小学生でもできる計算ができない。その考え方が解らない。この子達には特徴がある。お決まりのパターンだが、集中力がない、人の話を聞けない、考えられない、短い問題文もスラスラ読めない…。皆さんよくお解りの通り、学習姿勢ができていない。学習には道筋というものがある。しかし、最近、この学習の道筋をショートカットしたがる傾向がある。私は、宮大工の頭領を祖父に

勘違いの躾け

「厳しさ≠躾け」 子育ての中で最も頭を悩ますのが躾ではないでしょうか。ところが、最近、体罰問題などでのニュースの中でよく耳にすることばがあります。「躾の一貫で/躾けるつもりで」など、指導目的で行ったと主張されています。傾向として、現代社会では、体罰と躾は表裏一体となっているのではないでしょうか。確認すべきは、躾とは指示命令通り動く子どもを育てることではない、ということです。 命令語、指示語、否定語、これら3つのことばはできる限り避けるべきものです。命令語は、親に従わせるこ

民主主義(独り言)

「責任と話し合い」 時折、中学生の社会科の指導をさせて頂く事がある。その中で指導しにくいと言うより、指導できない項目が「民主主義とは」になる。民主主義は、その基本を話し合いに置いている。けっして一つの考えが独走することなく、互いを尊重し合い、話し合いを十分に行い決定していく。だから手間がかかるし面倒くさい。しかし、それが民主主義のルールなのだ。我々はその民主主義を選択している。当初は、戦後アメリカ軍の統治下にあった我が国で、お仕着せの民主主義でもあった。しかし、民主主義とは

水道方式の復活

「数指導→算数指導→数学指導」 「算数の探検」という本がクローズアップされている。水道方式は、それまでの数え主義という算数指導に一石を投じた。この本は、その水道方式を内容毎に幾つかに分けまとめた本だ。それまでの指導法では、幼児から小学生、そして中学生とステップアップしていく指導に一貫性がなかった。また、水道方式は、算数:数学という論理的学習の特徴を活かし、「分析総合法」という考え方で臨んだ画期的な指導法だった。この指導の産みの親である遠山啓先生は既にお亡くなりになったが、私

独り言

「おかしな光景」 2011年から、英語教育が小学校でも行われるようになった。今後、2018年をめどに小学3年生から英語指導が開始される。我が国の英語指導が根底から大きく変化してきた。英語教育は変わる。当然、受験も大きく変化してくるだろう。中学時代、英語の授業で友人が教科書を読むことをとても楽しみにしていた。彼は、とても綺麗な発音で流暢に教科書を読む、聞いていて心地よかった。申し訳ないが英語教師の出る幕はなかった。考えれば、我が国の英語教育は間違いなく受験英語だった。それは、

教育の躾け

「賢い子を育てる」 家庭学習の習慣化は幼い内に躾けておくべき、年齢が高くなってからの学習習慣は、遊びやゲーム、友達等の影響から習慣化には時間も労力もかかる。まだ、学習習慣が身に付いていない小学校入学前の年長さんは、入学を目の前に、学習意欲が高まっているので、今から始めるのも一つのチャンスだろう。学ぶことにマイナスなどない。幼い内から学ぶことに積極的な保護者でなければならない。こう言うと、詰め込みとか教育ママ・教育パパなる名称を受ける事になるが、学ぶという知的行為に年齢は関係

教育の躾け

「毎日の学習」 学習の習慣化は幼児から。良く耳にする早期教育に対する批判は、幼児教育の本質を理解していないことから来るのではないだろうか。幼児教育の歴史は古く、その学びの基本は、子どもが生きていくための習い事が中心だった。「読み」「書き」「そろばん」と近年までよく言われていた。当時、批判的なことばは聞くことがなかった。そして、ピアノやバレー等音楽やスポーツにに対しては批判がです、学ぶことにのみ批判が集中することに、幼児が学ぶ事への偏見があるように感じる。 学ぶことに偏見が

教育は躾け しつづけること!

「思考の繰り返しが…」 タイル指導の映像化を合い言葉に、タイル指導をビデオに撮りアップさせたところ、多くの反響があった。具体的で解りやすいというのが一番だが、タイルの良さは解っていても具体的な教材がないことがネックになっていたようだ。今後も試験的な試みで指導の映像化を推し進めていく。また、「タイルさんすう」の引き算編のご要望が多く寄せられ、今、制作開発しているので暫くお待ち頂きたい。 小学1年生で、学校の授業について行けない子ども達が出始めている。もうすぐ2年生、漢字は今

是か非か「独り言」

「意志」 テレビドラマについて私見を述べさせて頂いたが、ドラマへの関心の高さか、コメントも数多く頂戴した。最近の出来事から感じるのだが、常に物事の是非で論じられているように感じる。沖縄県名護市長選、福島県南相馬市長選、国にとって重要な選挙であったが、政府与党の押す候補は敗れた。しかし、どちらも勝ち負けで片付けられない問題が山積している。本質を欠いた勝ち負けの論議で沖縄県民の置かれた現状が矮小化されてはならない。福島も同様だ。原発推進について論ずる前に、今の福島原発をどう処理