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【予算850億の元バイヤーが解説】この商品は素晴らしい(小林製薬:ナイトミン鼻呼吸テープ)

こんにちはのじです。 
(私の記事は #NP企画  で検索できます)

大手ドラッグストアで10年化粧品バイヤー、1年半雑貨のカテゴリーマネージャーをしていました。辞める年は予算850億を管理していました。

今は化粧品メーカーでマーケティング本部のディレクターやってます。

『この商品は素晴らしい』シリーズ

元化粧品バイヤーの私が使った中でこの商品は素晴らしいと思った商品を紹介していきます。 広告ではないので他社品限定で紹介していきます。

またマーケティングの視点でこの商品の勝利の方程式を作っておきます。 

今回は
の 小林製薬の『ナイトミン鼻呼吸テープ』です。

公式HPより

選考理由

口や喉の乾燥を防ぐために口にテープ貼るという実に単純なロジックの商品なのに安眠とい訴求が消費者の心を掴んだ点が素晴らしい。しかも発売前に既に似た商品があったから真似した商品なのに今や圧倒的に知名度はこっちの方が高いという点も参考になります。

商品特徴

口に貼るだけで、ヒト本来の呼吸法(鼻呼吸)に整えます。起床時の口・のどの乾き、いびきの音を軽減し、安眠へ促します。
*鼻呼吸に促すことによって得られる効果(自社試験による)です。効果には個人差があります。
剥がすときに痛くない、肌にやさしいシリコンタイプの粘着剤です。

売価は15枚で600円位

公式HPより

ここが素晴らしい

①安眠というベネフィット

国民の7割近くは何らかの睡眠に悩みを抱えています。そして口呼吸は熟睡を妨げるという点に注目して、口呼吸を防ぐ事で安眠を促すという分かりやすいベネフィットを訴求しています。

②いびきを聞かなくて良いというベネフィット

いびきが困るのは本人ではありません。つまりこの商品は本人だけではなく、同居人にとってもベネフィットを感じられる商品という点が素晴らしい。

③メッセージが伝わるネーミング

ナイトミン(夜眠)という何の商品か分かりやすいネーミングが素晴らしい。小林製薬の得意技ですね。いびきを聞かされていた方の安眠という意味も含まれているのかも。

④原価ではなく価値で値段を決める

13ミリの長さのテープが15枚で600円位(値崩れ前は800円位)という決して安くはない価格設定です。単純に医療用のシリコンテープという素材の訴求とするとそんなに高い価格ではニーズはありません。そこに安眠やいびき防止というベネフィットを訴求することで強気で付加価値を価格に反映している点が素晴らしい。

全く同じではありませんが医療用のシリコンテープと言えばこれ。機能の訴求だと3.6mで600円~700円位が相場です。

⑤知られてなければブルーオーシャン

もともと口に貼るテープは他のメーカーでもありました。ナイトミンは2017年に発売ですが三晴社のネルネルは1987年と20年も前に発売しています。しかしパッケージも店頭を意識したものではなく訴求もベネフィットが分かりにくいものだったためほとんど知られていませんでした。

つまり全く新しいものでなくても先駆者が認知度がない場合はちょっとアレンジを加えて切り口やデザインを変えて訴求する事で一気に市場を獲得する可能性が高いという事です。

ネルネルもいい商品なのでマーケティングが得意だったら結果は違っていたかもしれません。

三晴社 ネルネル 21回用

勝利の方程式

機能×本人ベネフィット×同居人ベネフィット×明確なメッセージ×ブルーオーシャン

まとめ

口を閉じたら苦しくなるんじゃないかと思いましたが伸縮性があるため全然苦しくありませんでした。個人的にはネルネルよりもナイトミンの方が使用感はいいと思います。以前メーカーさんに聞いたところナイトミンは実は購入者の多くが50代以上(インバウンド除く)の方だそうです。それだけ悩みを抱えていた方が多かった事を知るとやはり価格以上の価値があるんだと思いました。


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最後まで読んで頂いてありがとうございました。

のじ

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