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続編④〜第三章 「1.禅の教え」、「2.名付けて、“S・K・A”運動」 これならできる!運動指導初心者の指南書〜特定保健指導、介護予防運動指導などに必ず役立つ!」

1.禅の教え

 
 今の時代、youtubeで簡単にあらゆる運動の動画が紹介されていますね。しかも無料で! ですから、やり方がわかないのではなくて、どの運動が自分にとって良いのかがわからない、というのが正しいところでしょう。

 性差、年齢はもとより、運動経験、現時点の体力、運動がしやすい環境かどうか、そして運動に対するモチベーションなども含めて、その人にとって適切な運動はこれ!とはなかなか決めることは難しいです。

 そこで、古の人たちの知恵をお借りしましょう。日本人には馴染みのある「禅」の教えを拝借します。
 
 禅には「調身」「調息」「調心」という言葉があります。
 
 調身:姿勢を調える
 調息:呼吸を整える
 調心:心を整える

 
 今から一つずつ一緒にやってみましょう! 
 
 ではまず「調身」:姿勢を整えることですね。
 
 椅子に腰掛けている場合は、リラックスして座ってみてください。
 次に、自分としては良い姿勢を取ってみてください。脱力しているところから背筋を伸ばす良い姿勢になった時、体のどこに力が入りましたでしょうか。多分、背中とか腰とか、お腹と答える方もみえるかもしれませんね。
 
 そうですね。姿勢を正す時はお腹から背中にかけて、いわゆる体幹の筋肉に力が入ります。つまり姿勢を良くすることは体幹の筋肉をしっかり使っていることになります。これ、筋トレですね!
 
 次に「調息」:「呼吸を調える」です。
 
 一つ深呼吸をしてみてください。空気は肺に入り、そして肺から出ていきます。肺が動くことで空気を吸ったり吐いたりしていると認識していると思いますが、実は肺という臓器は自力で膨らんだり縮んだりすることはできません。
 
 「横隔膜」(「しゃっくり」はこの横隔膜の痙攣)や肋骨と肋骨の間にある「肋間筋」が動くことで肺臓は膨らんだり萎んだりします。横隔膜と肋間筋は「呼吸筋」とも言われています。ですから、呼吸するということはこの呼吸筋を動かすことになるので、呼吸をしっかり行うことも「筋トレ」といえますね。
 
 最後に「調心」:「心を調える」

 ここは歩行運動を取り入れます。ただ単に歩くだけではなく、歩きながら自分の体の動きを確認していきます。地面と接する足の裏はどうなっているか。膝はいつ伸びていつ曲がりながら歩いているか。腕はどんなふうに振っているか。
 
 これは「今に集中」して行う「瞑想」。つまり「心を調える」ことです。「歩行運動」で自分の体に意識を集中させる、“歩く瞑想”で心を整えるということですね。因みに「歩行禅」というものも禅の世界には存在します。

 また、歩行は多くの日本人が健康のために行うフィットネスです。健康づくり運動の代名詞とも言えますね。

2.名付けて、“S・K・A”運動

 禅の教えをもとにした「姿勢を調える」、「呼吸を調える」、「歩行で心を調える」は全て身体活動、「運動」ですね。

 其々の頭文字「S(姿勢)」「K(呼吸)」「A(歩く)」を取って「S・K・A運動」と名づけました。

 「姿勢」、「呼吸」、「歩く」は人が生きる基本です。ですから「S・K・A運動」は誰もが生きていく上で必要な基本的な運動になります。
 
 そして、私どもNPFCが長年説いています「いつでもどこでも誰でもできるフィットネス」になる「S・K・A運動」でもあります。

 「姿勢」、「呼吸」、「歩く」は人が生きていく上で外せませんね。つまり生活の中でできるフィットネス=ライフフィットネスです。日々の生活の中で、からだ一つあればできる運動ということです。

 我々日本人が古から使ってきた「養生」は健康のための生活習慣や行動のことですから、ライフフィットネスは養生の中のひとつの「身体運動」とも言えます。

 では具体的に「S・K・A運動」を説明していきます。

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