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スマホ依存 vol.19

「子どものからだと心・連絡会議」の「子どものからだの調査2020」*資料1によると、実感している「最近増えている」もののワースト1位は保育所・幼稚園では「保育中、じっとしていない」、小学校、中学校、高等学校
では「ネット・ゲーム依存傾向」であった。

資料1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/educationalhealth/29/0/29_3/_pdf/-char/ja

また、「AD/HD傾向」が全ての施設、小中高において「最近増えている」もののワースト10に入っている。

さらに、これらの結果を基に、子どもの“からだのおかしさ”の事象とその事象から予想される問題(実体)ならびに関連するからだの機能を検討した結果、前頭葉機能、自律神経機能、睡眠・覚醒機能といった「神経系」の問題に集約される様子が確認されたと結論づけている。

この調査は2020年12月〜2021年3月に実施されたとのこと。ちょうどコロナ禍の時期であり、子供達の心身への様々な悪影響が表面化するまでには数年の時間がかかることが予想され、この2020年の結果にある「神経系」の問題が今後さらに広がることが危惧される。

また、前頭葉機能の問題が指摘されているが、スマホを代表とするデジタルスクリーンの長時間使用が前頭葉の機能低下につながる実証結果はこれまでの投稿でも紹介している。

もう一点、この調査結果で私が気になる点を指摘したおきたい。

それは、小学生以降とその前段階の幼児で比較したときに、大きく差が出た下記の5つの事象についてである。

その5つの事象は、「すぐ疲れたという(50%)」、「朝、起きられない(54%)」、「平熱36度未満(69%)」、「頭痛を訴える(84%)」、「視力が低い(75%)」。

( )内の%は幼児の割合である。

この5項目は全て、「睡眠・覚醒機能」が関連している項目となる。

3〜5歳の子供に必要な睡眠時間は11〜13時間と言われている。

文部科学省や厚生労働省などの公的機関や研究機関から得られた情報を元に、一部を表にまとめたものが下記の表になる。年によって統計が異なるため、大まかな傾向になる。

この表から、必要な睡眠時間の2〜3時間は不足していることになる。

その原因としてデジタル機器の使用は容易に想像がつくのではないだろうか。

幼児において自分用のスマホを持たせる家庭はまだ少ないので、デジタル機器により睡眠時間が減少しているとすれば、親のデジタル機器の使用による子供への影響、及び、親自身の睡眠時間が問題なのではないか。

子どもの体のおかしさは、子供に問題があるのではなく、親の生活習慣に問題があり、そこの改善が何よりも重要なのではないだろうか。

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