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誰でもできる?絵の力で議論を助けるグラフィックレコーディング講座

会議でどうも話がかみ合わない。自分のイメージをうまく言葉にできないし、相手の言っていることがわかったようでわからないーーそんな会議のモヤモヤ感は、グラフィックレコーディングを取り入れることで解決可能かもしれません。

グラフィックレコーディング(略称グラレコ)とは、議論をリアルタイムに、グラフィカルに記録していく手法です。最近では、カンファレンスなどで見かけることが増えましたが、実はこのグラレコ、1対1のコミュニケーションや、自分の考えを掘り下げる「内省」にも向いているといいます。

今回は、ビジュアルファシリテーターの名古屋ゆきさんと小野奈津美さんに、”今すぐ使える”グラレコのやり方をワークショップ形式で教えていただきました。

まずはアイスブレーク、肩の力を抜く

ワークショップの初めは、アイスブレークから始まりました。「今日呼んでほしい名前」と「自分を動物にたとえると?」を各々描いてみることに。

絵を描くのはいつ以来だろう。とまどいながらも、おそるおそる、描いてみたものをグループの皆さんと共有しました。みなさん、可愛らしい。

続いて、ペンの持ち方。プロッキーペンの太い方を親指側に固定するのが基本の持ち方です。

これだけで、初心者でもグラレコっぽい字と絵が描けるようになるといいます。(これは本当でした。)

そして、ひたすら、線を引いてみる。四角を描いてみる。

コツは、肩の力を抜くこと。

最初はどうもガチガチな線になってしまいましたが、ほどなく、皆さんなめらかな線や図形を描き始めました。

文字は、誰が書いても居酒屋のチラシのようなポップ文字になるのが、グラレコの特徴だといいます。

表情や動作で思いを伝える

そして、顔の「表情」や、体の「アクション」を描く練習に入ります。

お手本をまねながら、描く、描く。子供に戻ったかのように。

念のため言っておきますが、ここはリーダーの教養を求める「挑戦者」が集うNewsPicksアカデミアです。参加者のほとんどがお仕事帰りのみなさん。まさかアカデミアの皆さんと一緒に絵を描く日がくるとは・・・!

これは今の時代、ビジネスの現場でもビジュアル化が必要とされていることの現れかもしれません。

効果的なグラレコの使い方

グラレコのいいところは、会話だけでは伝わりにくいコミュニケーションをグラフィックの力で、リアルタイムで補うことです。

ポイントは、きれいに描くことによりも、伝わるかどうか。はじめはうまくできるかどうかが気になり躊躇してしまいます。でも、伝えることが目的なのだから、美しさは気にせず、どんどん描くことが大切だといいます。

また、固有名詞は即座にメモすることが大事です。考えてから書こうとせず、どんどん書いていく(そうでないと忘れる)のがポイントです。

更にその先には「構造化」のステップがあります。

「リスト」や「ラディアル」などのフレームワークに当てはめることにより、複雑なものごとはより整理されます。

でもいきなり構造化するのは難しい。そんな時はテンプレートを活用することがお勧めだといいます。

テンプレートの例がこちら。

<ビジョンテンプレート>

この枠の中に、目標やそれを実現するための計画、課題を書き出していく練習を行いました。

ものごとの捉え方の多様性を知る

そして、TEDトークを聞きつつ、内容を描き出してみるワークに挑戦です。

お題はこちら。

「おもちゃ作りのアイデアをデータ分析から導きだすように上司から言われて苦労した後に、しりとりの発想法でアイデアを作る方法を編み出した高橋晋平さんのお話」

集中して話を聞きつつ、大事なポイントをまとめながら描いていきます。

改めて言いますが、ここはリーダーの教養を求める「挑戦者」が集うNewsPicksアカデミアです。みなさん、真剣です。

そうしてできあがったグラレコがこちら。

ひとつのストーリーを同時に聞いても、そのとらえ方は十人十色。考えの多様性を知ることは、理解の第一歩といいます。グラレコでは、それを鍛えることができるのです。

ワークの最後に、グラフィックレコーダーの小野さんが本日のまとめのグラレコを共有してくれました。

2時間の講義が、見事に1枚紙にまとまっています。

グラレコは、美大を卒業したような絵心のある人にしかできない特殊技能だと思っていました。でも、半日程度の研修を受け、1か月ほど繰り返し練習した後にグラフィックレコーダーとして会議で活躍している方がたくさんいるそうです。グラレコは、少しの訓練で誰でも習得できる汎用的なスキルなのです。

グラレコを取り入れたら、会議でヒーローになれること間違いなし。ぜひ取り組んでみましょう。

最後に、講義を終えたあとの参加者の感想をご紹介します。

<登壇者>

講師:名古屋友紀/株式会社グラグリッド ビジュアルファシリテーター営業企画職、制作会社Webディレクターを経て現職。サービスデザインのプロセスにおいて、様々なビジュアライズを実践。さまよいがちな議論やプロジェクトでも、常に明かりを灯しつづけられるビジュアルファシリテーションがモットー。
グラフィックレコーディング:小野奈津美/株式会社グラグリッド ビジュアルファシリテーターイベント、共創の現場でのグラフィックレコーディングや、企業の課題解決のためのビジュアルファシリテーションなど、多岐にわたる場で活動中。ビジュアライズでは参加者それぞれの想いに寄り添い描き出すことを強みとしている。
<主催>日本ファシリテーターネットワークNewsPicksアカデミアアンバサダー 猪狩久子

*本記事は、4月26日(水)、ビジョンセンター東京日本橋にて開催されたNewsPicksアカデミア アンバサダー企画[グラフィックレコーディング講座〜今すぐ使える必須スキル〜]をまとめなおしたものです。


編集:柴山由香

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