世界初のゲノム編集トウモロコシ、厚労省と農水省が認可 - 実験場と化す日本


[ゲノム編集トウモロコシが食卓に?]

2023年3月20日、コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社からゲノム編集トウモロコシ(PH1V69 CRISPR-Cas9 ワキシートウモロコシ)が厚労省に食品として、農水省に飼料として届出されました。

ワキシートウモロコシ(糯トウモロコシ)は、含まれるデンプンがほぼ100%アミロペクチンで構成されたトウモロコシで、光沢のある粒とモチモチした食感が特徴です。そのまま食用にされるほか、粘度の高いコーンスターチが食品加工用・工業用に広く利用されています。従来品種は収量が低いのが難点でしたが、届出された新品種は多収性となります。

開発者はアメリカのパイオニア・ハイブレッド・インターナショナル社です。この品種系統は、2016年にアメリカ農務省(USDA)からGM規制の対象外と回答されていました。アメリカでの食品としての食品医薬品局(FDA)との市販前相談は、2022年10月時点で確認されていません。

日本は、飼料用及び食品加工用原料のトウモロコシのほぼ全量にあたる約1,600万トン(年間)を、アメリカを中心とする海外からの輸入に依存しています。

今回のゲノム編集トウモロコシは、ゲノム編集食品に対する日本の緩い規制をすり抜けるように、安全性審査不要との厚労省での判断のもと届出されました。

輸入や流通の時期は未定ですが、表示がなされず加工食品や飼料の原材料として一気に広がる可能性もあり、今後の動きに注意が必要です。また、流通目前となった世界初のゲノム編集穀物であることにも留意すべきです。

参考(厚労省文書)⇒https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001075269.pdf

ソース

食を通じてたねや農・環境・生物多様性を考える
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2023年4月5日(水)
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