「○○と言えばあの人!」と思われれば、セルフブランディングはうまくいく。
セルフブランディングの話です。
知り合いの社会起業家に「基本的にスウェットしか着ない」という人がいて、いつもグレーのスウェットにデニムパンツという出で立ちをしています。
そのグレーのスウェットは同じもので着まわしているわけではなく、国内海外問わず様々なブランドのものを着ているため、彼は「スウェットにめっちゃ詳しい人」としての認知を取れているそうです。
更に言うと、彼は特段グレーのスウェットが大好きというわけでもないそう。
では、なぜグレーのスウェットをユニフォームにしようと思ったかというと、
・値段が安価(時計やレザーに比べて)なため大量に購入できる
・スニーカーなどに比べて収集家が少ない
というのが主な理由だったのだとか。
それによって彼は「スウェットに詳しい人」という認知を取ることに成功し、初対面の人にも覚えてもらいやすくなったほか、スウェットに興味があったり欲しいという人に価値提供ができるようになって、色々とビジネス的にも美味しい思いができるようになったそうです。
「ブランディング」の定義は人それぞれ違うものの、
・「○○と言えばあの人!」という特定のイメージを身にまとうこと
・それによって他者との比較対象に巻き込まれなくなること
この2点はブランドを高める上での重要な視点であることは間違いないですし、そのためには「あの人は○○についての専門性を有している人だ」という認知を取ることが一番なんじゃないかと思います。
もちろん、世界中を見渡してみれば、自分よりももっとそれについて詳しい人なんていくらでもいます。だから彼も比較的ライバルが少なそうなスウェットというジャンルを選んだのでしょう。
ただ、マスメディアが全てという価値観が薄れ続け、幅広い情報の中から自分で気に入った情報をセレクトできるようになった今の時代だからこそ、特定の誰かにとってのフェイバリットな存在になれれば、それだけで絶大な影響力を獲得することもできます。
だからこそ「仲間内のコミュニティ内での一番」になれれば、それだけで大きなチャンスが広がっていくわけです。
現に僕も「スウェットが欲しいんだけど、どのブランドのやつがいいのかわからなくて…」という人がいたら、彼を紹介するでしょうし、そこでどんどん輪が広がっていけば、彼のプレゼンスは小規模ではありますが確実に広がっていくわけです。
YouTubeやSNSでも特定のジャンルについて発信している人は多いですが、まずはそれが名もなき個人がブランドを作っていく上での最適解なような気がします。
まずは特定のジャンルで、特定の誰かにとってのフェイバリットになり、「○○について知りたければあの人!」という認知を獲得すること。それができれば後はどんどん草の根的に広がっていくという図式です。
そういう考え方から、僕の知り合いでも「旅行は毎回一緒の場所にしか行かない」という人も結構います。
普通は「1回行ったところは行かない」とか「できるだけたくさんの国を旅して色んな情報をインプットした方がいい!」という考え方が主流なのかもしれませんが、「パリといえばあの人!」みたいな認知を取る方が、個人のブランディングを形作る上で手っ取り早いってことなのでしょう。
稀少性を考えても、今や海外旅行も普通になったご時世ですから「パリもハワイもヴェネツィアも行ったことあるよ!」って人よりも「パリなら10回以上行ったことあるし、観光ガイドに載ってない美味しいお店知ってるから案内するよ!」っていう人の方が、より「価値提供できる人」になれるわけなんですよね。
もちろん、パリに詳しい日本人なんてもはや珍しくはありませんが、身近なコミュニティの仲間内にそういう人がいるかと聞かれると、そんなにいないという人がほとんどでしょう。
またパリの中でも「14区にめっちゃ詳しい」とか「アジアンレストランにめっちゃ詳しい」とか「靴屋さんのことならだいたい網羅してる」とかまで落とし込めれば、更に稀少性は高まっていくわけです。
そうすると、少なくとも自分が身を置くコミュニティでの存在感は高まりますし、知り合いの知り合いレベルから自分の存在が世界に拡散されていきますし、そこから何かビジネスにつながっていくことも現実味を帯びていきます。
色んな情報に瞬時にアクセスできて、誰もがジェネラリストになりうる時代だからこそ、仲間内での小さな専門家になって特定の分野でのスペシャリストになってしまうというのが、ソーシャルな時代での個人ブランディングを成功させる、最も簡単な方法なんじゃないかなと思います。
そういう視点で、身に付けるものや、旅をする場所、インプットするものや、住む場所なんかも捉えてあげるといいのではないかと!
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