「密かな結晶」を読んだ。

小川洋子さんの著書である「密かな結晶」を読みました。
そこにいる限り何かを失い続けなくてはならない島での物語。「消滅」と呼ばれるその出来事は朝起きたときに気付く違和感で始まる。
ベッドを出て部屋を見回し今回は何が消滅したのかを探す。それは時には香水、鳥、フェリー、そして左足、、消滅したものはそのものの存在もそれにまつわる思い出も消えてしまうのだ。

失われ続けるこの島で人々は何を思うのか。
何が残るのか。

私は失うものを書くことで失わないものを表現していると感じた。
失うからこそ物は人は強く輝き、悲しみの影を強くする。
是非御一読を。

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