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束の間という一瞬

覚えがある光景だ。

覚えがあるのだ。

駐車場のワンボックスカーから降りてきた男女。
抱っこ紐に小さな赤ちゃんを抱えて
すがるような表情(に見えてしまう)で大型喫茶店に入ってゆく大人二人。


この二人と赤ちゃんに何が起きているか。


赤ちゃんが無事に産まれて

感動と喜びと

毎日

かわいいねぇを連発し

便秘かしら

お腹減ってるのかしら

寒くないかしら

どこか痛いかしら

何みてるの?

何か見えるの?

宙を見つめてるのなんで?


なんて思ってるうちに時は過ぎて

手が動き足が動き

ますます目が離せないわ赤ちゃん


って時に

体力が尽きてくる


誰の?

大人たちの、体力。


体力って

体だけじゃなく心も


心身のエネルギーが尽きてくるのだ


そして

家事と育児、仕事の両立で頑張る力を回復したくて

束の間だとわかっていながらも

ホッとしたい

という欲求から

この

コーヒーショップに来るのだ


束の間だと言ったけれど

その束の間という時間の長さは

お茶を飲む間

たったの30分の話ではない


そう

この場合の束の間とは


一瞬



大型喫茶店に入る

席に案内される

テーブルに置かれたメニューやお砂糖スティックなどを子どもの手が届かないよう移動してから抱っこ紐を解く

動きまわる子がソファから落ちないよう気をつけながらメニューを決める

注文したら、束の間のホッとする一瞬のために子どもの機嫌をとる

遊びやご飯のお話をしたり、ミルクをあげたり、本や動画、おもちゃを与えたり

注文したものがテーブルに置かれる

子どもの気持ちは本や動画、おもちゃに注がれている

今だ!!!

カフェを楽しむ

その一口目、、、、、これだ!この一瞬!


二口目を飲む頃には子どもはもう本やおもちゃに夢中ではなくなってるから、子どもの安全に気を回さなければならない


それでも

この一口目のホッとする瞬間のためだけに

ここに来るのだ



そうだよね?

お母さんお父さん。

本当に毎日、幸せと苦労におつかれさん!!!


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打ち合わせまでの時間つぶしに入ったお店で見る懐かしい光景は、私が通ってきたみずみずしい経験。その経験とは、新しい家族との生活をジタバタしながらなんとか頑張っていた頃、自分ひとりの時間が欲しいのにひとりになると赤ちゃんが心配で落ち着かなかった。いつ私は安らげるんだろうと涙したこともあった。そんな、過ぎてしまえば思い出になることも、その最中にいる時は辛い気持ちも幸せな気持ちも当たり前に生々しく突き刺さるのよね。そうなのよね。だから、いまその最中にあるあなたの気持ちわかるわ、なんて言わないし思わない。その生々しい今を感じるあなたの気持ちを尊重したい、すごいことだ、と賛美したい。

そしていつか

私は

コーヒーショップでゆっくり座って世間話をしながらカフェを楽しみたい、家族みんなで。

よろしければサポートよろしくお願いいたします❣ たくさん歌いたい、表現したいと思います。ありがとうございます💕