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オパールよ私のもとへ

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もらったときのことを覚えていないオパールのネックレス。結婚した夫が付き合いはじめにくれたらしい。長い年月を超えて私とオパールがひとつになったお話。
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記事一覧

オパールよ私のもとへ[1]

付き合いたての当時、彼は私にくれたらしい オパールのネックレス らしい、というのは、もらったときのことを覚えていないのだ 何時、どこで、どんなシチュエーションで、など覚えていない 誕生日プレゼントなのか記念日なのかもわからない さらには私はジュエリーに興味が無く、宝石好きという訳でもない なので、 「なんで私にこれくれたの?」と聞いたら 「誕生石でしょ?」 と彼は言った 今まで、プレゼントと言ったら 大体彼のお気に入りのブランドの革製品が主流であった

オパールよ私のもとへ[2]

付き合う前からプレゼントをくれる人だった 最初は確か、笹塚のアジアン料理のお店でご飯を食べたとき、 クリスマス近い日にちで これをどうぞ、という感じで彼がテーブルに置いたのが 確か 確か、、、、 なんだっけ?(ごめん!) 確か、キーケース、だったと思う 誕生日とクリスマスには何かしらプレゼントをもらい、プレゼントした記憶がある 彼によると オパールのネックレスをくれたのは、付き合い当初だと言う その言葉がさらに ??? を増幅させる なぜかというと

オパールよ私のもとへ[3]

遠くオーストラリアから私の掌にたどり着いたオパール お家の中で プラスティックのジュエリーケースに入れっぱなしではもったいない 着けてあげたい だけど着けると似合わないから外す …どうしたものか オパールの佇まいは穏やかで なぜだか私は親しみをものすごく感じており 手放すなんて考えられなかった 月日は流れて (え?!付き合い初めにもらったのだったら約10年くらい放置してたってこと?!) 結婚して 子どもが産まれて オパールのネックレスが似合わない なん

オパールよ私のもとへ[4]

何回目かの鳩市のとき vvjewelry  rikaさんに 「実は夫からもらったオパールのネックレスがね、、、」 と話をしてみた 別のものに作り変えられないかしら?指輪とか そんなことを話したように思う 「できますよ!」 とrikaさん 「そしたら今度見てもらっていいです?」 「いいですよー!」 と会話をしたものの rikaさんのところに行くチャンスはしばらく無かった なんだか そんなタイミングが生まれなかったのだ オパールを持ち出して扉を開けて出

オパールよ私のもとへ[5]

………リ、リメイクジュエリー?! 私が?! ジュエリー興味なし、なんて思ってた私が!? ある意味衝撃的な事が起こってる だけど必然な感じもする だってオパール着けたいもん 大事だもん たぶんね「身の丈に合わないでしょ」って思ってた 着けたい宝石があって でも似合わないから着けられなくて それを着けられるように人の手を借りて お金をかけて 時間をかける ということに 私自身がそれに見合わないでしょ と思っていた 今までは でも vvjewelryアト

オパールよ私のもとへ[6]

アトリエに行く前にvvjewelryのホームページのギャラリーを見ながら どんなデザインにしようかとメッセンジャーで相談していた 最初はリーフをモチーフにしたような指輪にオパールがはめ込まれたら素敵、なんて思ってたのだけど 画面スクロールする中で、石を抱えたV字シルエットの指輪を見たら オパールがそこに装着されて オパールそのものの魅力が表現された姿がフワッと浮かんで 「このV字の、いいですね」 となり そのデザインになることに どの指につけたいかこのオパー

オパールよ私のもとへ[7]

ついに戻って来た オパールよ私のもとへ 「できました」という連絡型の確認から一週間後のことだった 写真が送られてくる 思わず歓喜の声 やっと会えたね といったところ 先の紫のロウの型は 溶けてなくなっている 型をもとに 外枠が作られ その中でロウは溶けて出ていくのだそうだ ちなみにね 紫のロウの型は手作り 言葉で 手作り というのは簡単だけど 様々な道具を使い 手を上手に操り 丁寧に削る作業 ここに作り手の技術とこだわりと個性が詰まってる

オパールよ私のもとへ[あとがき]

夫の反応なぜかノーコメント 10年越しにやっと着けたんだね といったところかな いやたぶんそんな複雑なことは感じてなくて 「良かったね」 というシンプルな心の声は伝わってきたように思える 試しに着用せずに外出してみた心細さと物足りなさ でもきっと遠くからパワー送ってくれてる と信じていられる このエッセイはオパールよ私のもとへ と題し、1から7まで、そしてこのあとがきで成り立っている 駄文です が 細かな感情がフレッシュなうちに書き留めておきたかった だ