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Present Tenses, Part 3 - 現在完了形が物語ること

英語の文章に不可欠なパーツである[矢印][イコール]にあたる語、つまり verb(動詞)の形を変えることで、その文章で伝えんとしていることを的確に表し、物語ることができます。変化した[矢印]や[イコール]の語形は tense(時制)と呼ばれます。

この記事では、present perfect simple(現在完了形)を取り上げます。



Form
語形

Present perfect simple とは、次のような形で表されるものです。

have/has + past participle (done, been, etc.)

  • She has arrived at Heathrow.

  • They have been very happy.

まず have/has がありますね。どちらを使うかは[主役]の種類で決まります。これについては Tenses, Part 1.2 – 誰がどれだけで変わる現在形の不思議 で説明しました。必要に応じて振り返ってみてください。

あらかじめ答えを言ってしまうと、has は [主役] が 3rd person singular(3人称単数)のときだけ用います。

ここでの have/has は「持っている」という意味の[矢印]ではありません。それ自体に独立した語義もありません。[矢印]を present perfect に変えるためのアクセサリーのようなものだと考えてください。文法上は auxiliary verb(補助動詞)と呼ばれますが、文法用語はあまり気にしなくても大丈夫です。

Spoken English(口語英語)では、 have/has を[主役]とくっつけて contraction(短縮形)にするのが一般的です。

  • She’s arrived at Heathrow.

  • They’ve been very happy.

そして have/has の後に続くのが、past participle という形に姿を変えた[矢印]または[イコール]です。Past participle(過去分詞)とは[矢印]の様々な変化の形の1つです。辞書上での紹介のされ方はさまざまだと思うので、お持ちの辞書の手引きに従って探してくださいね。


What the Present Perfect Simple Tells
現在完了形が物語ること

では次に、present perfect simple が伝える情報について解説します。


1. The Durations of a Permanent Situation or Quality
日々変わることのない状態や性質が、どれだけ続いてきたか

Tenses, Part 1.1 – 現在形が物語ること で、present simple は「日々変わることのない状態や性質」を物語ることを解説しました。その状態や性質が、いつ始まり、どれだけ続いてきたかを、present perfect simple を使って伝えることができます。

この情報を伝えるには、「どれくらい」や「いつ以来」を表す[演出]を添えるのが原則です。

  • Steve and Sarah are married.
    スティーヴとサラは夫婦だ。

  • They’ve been married for 15 years.
    彼らは結婚して15年になる。

  • Candith lives in Liverpool.
    キャンディスはリヴァプールに住んでいる。

  • She’s lived in Liverpool all her life.
    彼女は生まれてからずっとリバプールに住んでいる。

  • Amada watches that TV show every week.
    アマンダはそのテレビ番組を毎週観る。

  • She has watched it since it started.
    彼女は放送開始以来、ずっとそれを観てきた。

上に示した3つの例文グループで、どれも present simple と present perfect simple を並べています。前者は単純に「日々変わることのない状態や性質」を、後者はそれらが「どれくらい/いつ以来続いてきたか」まで伝える文章になっています。

Present perfect に添える[演出]については、別な記事であらためて触れます。


2. Experiences up to the present
現在までにしてきた経験や積み重ね

生まれた時や物心ついてから、あるいはそれ以外の過去のある時点から現在までにした経験や実績について伝えるとき、present perfect simple を用います。

ここで言う「経験」とは、ちょっとまわりくどい言い方をすると「過去に〜したという出来事を経て今に至る」ということだと考えてください。だから present(現在)past(過去)の出来事が結びついた present perfect simple という形を用いるのです。

例文を見てみましょう。

  • I‘ve played the piano.
    ピアノなら弾いたことありますよ。

  • He’ s written three books.
    彼はこれまでに3冊の本を書いてきた。

例えば last year(去年)や 2days ago(二日前)といった、「いつ」をピンポイントで特定する[場面]は用いません。今と過去を切り離してしまうからです。

  • They’ve been to Scotland twice before. ◯
    彼らは以前スコットランドを2度訪れたことがある。

  • They’ve been to Scotland in 1995 and 2001. ✖️

※「行ったことがある」を言い表す have/has been to(been は be の past participle)については、後述します。

上の例文の twice(2回)before(以前)のように、「回数」や「今と結びついた時間表現」なら、使用可能です。

  • I’ve sold 5 million copies so far.
    私はこれまでのところ500万枚部を売り上げた。

  • The doctor has saved hundreds of patience up to now.
    その意思は現在に至るまでに数百人の患者を救ってきた。

  • She’s met many miserable men in her life.
    彼女は人生の中でたくさんのみじめな男どもと出会ってきた。


“have been to” or “have gone to” ?

「〜へ行ったことがある」という経験を語る場合、これまで多くの文法書が “have/has been to” を用いるとしてきましたが、現実には、主にアメリカの spoken English で “have/has gone to” も用いられます。

それが学術的に容認されているかどうかは脇に置いて、そういう事実があることは覚えておいた方が良いでしょう。

イギリスでも、ever や交通手段を表す語句があれば “have/has gone to” を使うことがあります。
e.g. I’ve gone to Scotland by plane several times.


3. Recently completed event
起きたばかりの出来事

つい最近や本当に今しがた起きたばかりのことについて話すときにも、present perfect simple を用います。この用法には、recently/lately(つい最近)や just(ちょうど)をしばしば伴います。

  • The Queen has spoken to people through TV and Radio.
    女王がテレビとラジオを通じて人々に語りかけました。

  • The company has opened an office in the UK recently.
    その企業は最近イギリスにオフィスを設けたところです。

  • Nigel and Peter have just come back from a week in Italy.
    ナイジェルとピーターは1週間のイタリア滞在から戻ったばかりだ。

どれも最近、あるいはつい今しがたの出来事であることが、present perfect simple を用いていることで明らかになっています。
2と同様に「いつ」をピンポイントで特定する表現は持ち込みません。


4. Past event that has a result in the present
現在に結果が現れている過去の出来事

ちょっとややこしい感じがしますよね?まず例文を見てみましょう。

  • Catherine has broken her arm. (Her arms are broken now.)
    キャサリンは腕を骨折した。(彼女の腕は折れている。)

  • I’ve lost my keys. (The keys are missing now.)
    鍵をなくしちゃった。(鍵が行方不明なんだ。)

  • She’s already left. (She isn’t here now.)
    彼女ならもう出て行ったよ。(彼女はここにはいないよ。)

このように、現在の状況に至った経緯を言い表すとき、present perfect simple を用いるのです。

この場合も「いつ」を特定する表現は持ち込みませんが、現在と結びつく時間表現である already(すでに、もう)は使用可能です。


ここまで、「いつ」をピンポイントで特定する表現は用いないという present perfect simple の特徴を、何度も繰り返し記してきました。「いつ」の出来事であるかを明らかにしたい、あるいは明らかにする必要がある場合には、past simple(過去形)を用います。それについては、別の記事で詳しく説明します。


最後に、ちょっと変わった使い方を紹介します。おまけ程度に眺めてもらって結構です。

5. Present Perfect Simple for Future
未来を語る現在完了

未来のある時点を表す clause(文節)には、普通 present simple(現在形)を用います。

  • I’ll go to work on foot until I find my car key.
    車の鍵が見つかるまで歩いて仕事に行くことにする。

  • We’ll wait and see what happens when the sun goes down.
    日が沈んだらどうなるか、それまで待って確かめるとしよう。

ところが present perfect simple を用いることもあるんです。

  • I’ll go to work on foot until I have found my car key.

  • We’ll wait and see what happens when the sun has gone down.

2つの間にあまり大きな差はないのですが、present perfect simple を用いると、「その行為がしっかり成し遂げられたタイミングで」というニュアンスが加わります。

Future tenses(未来を表す時制)については、また機会をあらためて解説します。



長かったですね。お疲れ様でした!

ここまでご覧になってお気付きのように、present perfect simple には for 15 years、yet、recently など、ユニークな時間表現がよく登場します。次回は present perfect simple の文章にに頻出するについて、より詳しくお伝えします。

それでは、I wish you happy learning!


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