見出し画像

【脚本】『SWORD OF SPIRITS』(参)

※この記事は有料記事です。
ですが、ご購読頂いてお気に召さなかった場合、返金申請を受け付けておりますので、ご遠慮なくお申し付けください。
返金申請の方法と注意事項はこちらをご参照ください↓
https://help.note.com/hc/ja/articles/360000670602/

また、もし読んでみて他の脚本もお読みになりたい場合は、マガジン(500円)にてお読み頂く方が確実にお得ですのでお勧めします。

私の作品の中で、実は別作品とリンクしてたり・・・という部分がたまにあります。
過去に一番出てきたのは、本作『SWORD OF SPIRITS』の舞台である

常陸牛久辺藩

という架空の藩かもしれません。
始まりは、『幕末鳥人伝~地に足つかない男たち~』を書いた際に、

・史実ではないから架空の藩の物語にしたい
・地元に近い設定の方が書きやすいだろうと思った(千葉県北西部の出身です)
・「酒造りくらいしか産業が無い」という設定から、登場人物の名前を皆酒にちなんだものにした。ならば藩の名前も酒にちなんだものにしたいと考えた。
・ウシュクベ(古代ゲール語で「命の水」の意味。ウィスキーの語源)という酒が、高校時代の友達の住んでた茨城県南部の町・牛久(大仏があります)に似てると気づいた。

というような経緯で、なんとなくその辺りをイメージして書きました。

ちなみに、『幕末鳥人伝~地に足つかない男たち~』の主人公の名前は、跡部響一郎
本作『SWORD OF SPIRITS』の主人公は跡部謙二郎
時代設定的には『SWORD OF SPIRITS』の方が先なので、
実は響一郎は謙二郎の子孫
という裏設定は、特に誰に話すでもない、私だけの秘かな楽しみ方でした。

尚、時代は大きく下って、1997年。
Cheeky☆Queens Stage#002『暗殺者の抱擁』に出てくる

山下陽子

というキャラクターは、牛久辺体育大学柔道部という設定。
『幕末~』や『SWORD~』を唯一知っていた演出のドヰだけが

まさかの牛久辺キターーーーーー!

と笑っておりました。

余談ではありますが、山下陽子はCheeky☆Queens Stage#004『VAMP!』(時代設定は『暗殺者の抱擁』の2年後の1999年)にも新米刑事として出てきます。

なんてリンクがあったりします。


#10

回想
御供番剣士衆が集まる道場。
うろうろと歩き回る乾八郎。
正座しじっと瞑目している片岡源五右衛門。
じっと何かを考え込んでいる窪田信吾。
三者ともに腰には同じ小刀を差している。御供番の証。
下僕の藤吉もいるが、そわそわしている。

八郎  「・・・遅い!爺様はまだ来ねえのか!」

またうろうろする八郎。

八郎  「・・・あーもうっ!なぜ俺たちが締め出されなきゃならんのだ!」
信吾  「うろうろするな、暑苦しい」
八郎  「なんだと?貴様、心配じゃないのか!俺たちは御供番剣士衆だぞ!若の一大事になぜこのように道場にて待機なのだ!あーっっ!!!」
信吾  「てめえがジタバタしたところで何も変わらねえだろ。冷静になれ」
八郎  「俺からすれば、そうやって涼しい顔してられる貴様らの神経がわからん」
源五右衛門「やめろ」
八郎  「貴様らの忠義など、所詮その程度のものだってことだろ」
信吾  「俺たちに当たるんじゃねえ」
八郎  「気取りやがって。若がどうなったって貴様らは何も感じねえんだろ」
信吾  「んだと?それ以上言うなら、てめえ叩っ斬るぞ」
八郎  「なんだ、やるのか。いいじゃねえか。貴様の面を見てると余計にむしゃくしゃする。抜けっ」
源五右衛門「やめろと言っておるだろう」

信吾と八郎、お互いに抜刀し対峙する。あわあわする藤吉。
ぶつかり合う両者。互角。途中、刀を落とし、取っ組み合いとなる。
まるで野犬の喧嘩のよう。

源五右衛門「いい加減にしろ!」

間を割って源五右衛門が止める。
一旦引き離されるもにらみ合いを続ける両者。
そこへ片岡の妻・佐和が伊予と腰元の小夏を連れてやってくる。

ここから先は

5,898字
この記事のみ ¥ 150

いつもご購読ありがとうございます。 サポート頂いた資金は脚本・プロデュースの活動に充てさせて頂きます。