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セロハンはプラスチックというよりは紙

セロハンテープです。ご存知ですよね。セロハンテープ。でも、知らないんですよ。セロハンテープを。

セロハンテープとは

セロハン製のテープだからセロハンテープです。ちなみに「セロテープ」はニチバンさんの登録商標です。ところで、「セロハン(Cellophane)(セロファンともいう)」ってナニモノなのか。

「セルロース(Cellulose)」というものがありまして、これは植物繊維の主成分です。このセルロースを加工して作られる、透明な膜状の物質をセロハンと呼んでいます。セロハンは透明の膜状ですが、ポリエチレンのようなプラ袋の素材と異なり、水は通過させるが、より大きな分子の物質は通過させないという「半透膜」というやつです。高校生物や高校化学で登場します。

昔ながらのラムネを巻いた透明のフィルムみたいなものの材質もセロハンです。結構身近なところにある素材です。

セルロースとは

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化学的には分子式(C6H10O5)nで表されるβ-グルコース(β-glucose)の重合した高分子化合物です。高校化学の内容でも出てくる物質です。ただ、どちらかというと、植物に多く含まれることもあり、高校の生物分野で見かけることの多い物質です。

このセルロースという物質はセルラーゼ(Celluase)という分解酵素により分解されるのですが、ヒトはこの分解酵素を持っていないので、野菜の食物繊維の成分であるセルロースが分解されず、腸内の不要物をからめとって形のあるウンチとして排出されるわけです。ウシやヒツジ、ウマなんかは、腸内にセルラーゼを合成する微生物が生息しているので、植物繊維を分解し、不定形のウンチを排出するわけです。

紙の主成分もセルロース

植物の繊維(パルプ)を薄く引き伸ばして作られるのが「紙」です。なので、セルロースが主成分となっています。紙を食べるヒトが時折いますが、消化できないので食べてはいけません。

そして、セロハンもこのパルプを加工して作られます。そんなわけで、紙もセロハンも同じ材料から作り出されます。なので、セロハンはプラスチックのようにみえますが、どちらかといえば紙のようなものと考えられます。なので、セロハンテープの貼られた紙は、そのまま再生紙の原料に使えるわけです。セロハンテープ剥がさなくてもOK。でも、そんなこと知らない先生とかおるんだろうな。セロハンテープついてたら、再生利用できないとか。そんなことはございません、セロハンテープはプラスチックっぽいけど、紙に近い存在です。

セロハンテープっぽいものは、様々あるので、それらの素材を調べるってのも面白いんですよね。こういう身近なものを調べるところから、探究するってのもアリだと思ってます。

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