見出し画像

ハイクオリティなファミリー映画『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』

2023年11月23日公開の『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』を試写で観ました。エポック社のフロッキー加工の動物人形と、可愛いドールハウスの商品展開で有名なシルバニアファミリーの映画化。ちなみにシルバニアファミリーは海外からの輸入商品ではなく、エポックのオリジナルなのです。むしろ今では海外40ヵ国以上に輸出されて世界で愛されているほど。

▲センターの赤い服が主人公のフレア(黒島結菜)左隣はブルース( DAIGO)
フレアの右隣がライラ(水瀬いのり)リスの男の子はラルフ(本渡楓)

映画の監督は⼩中和哉さん、脚本は小林弘利さん。ちなみに小林弘利さんは⼩中和哉さんの初監督作『星空のむこうの国』(1986年)でも組んでいる。全編3DCGで制作されていますが、空を行く主観カメラが、そのままグングンと地上のシルバニア村へ降りて、町並みを進みながら主人公フレアの部屋の窓まで辿り着くファーストシーンが1カットで作られている。こう言ってはなんですけど、シルバニアファミリーの映画なのに、なんでこんなに本気なんだ!? と驚くクオリティの映像ですよ、冒頭だけ観ても分かるほど。フレアの声は、NHKドラマ『ちむどんどん』(2022年)やワーナー映画『鋼の錬金術師 完結編』(2022年)の黒島結菜さん。フレアの友人の声に水瀬いのりさん、本渡楓さん、DAIGOさん、同じくフレアの家族の声に日野聡さん、蒼井優さん、子役の村方乃々佳ちゃん(←可愛い!)等々。オフィシャルが発表していないけど、まだまだシルバニア村のみなさんに良い声優さんが出ています。日野聡さんは『鬼滅の刃 無限列車編』のイメージが強かったせいか、ここしばらく快活なキャラが多いですが、本作のようにパン作りが上手い、ゆったりとしたお父さん役もエエですよ。

メインターゲットの子供たちが集中できる上映時間に加え、第1話、第2話…と、物語の進行を章だてて分けているので楽しみやすい。マニア的な見どころチェックとして、ミニチュア美術監督が特撮研究所の三池敏夫さん。近年では『シン・仮面ライダー』(2023年)に参加していますが、ゴジラやガメラ、ウルトラマン各作品の特殊美術、ミニチュアなどに関わっている人。
音響監督の岩浪美和さんは、TV&劇場版『ソードアート・オンライン』シリーズや、テレビアニメ『キルラキル』(2013年)ほか、多くの作品を担当。個人的に岩浪さんの仕事ぶりは『シドニアの騎士』シリーズが大変好きです。そして主題歌担当はPUFFYで、作詞・作曲は奥田民生さん。

フレアがお母さんの誕生日プレゼントを考えて、あれこれと友だちの協力を得て頭をひねる、という優しいお話ですが、映像はもちろん、スタッフ、キャストも本気過ぎる布陣。鑑賞前は、もうちょっと緩い出来かなと思っていただけに、正直侮っていましたわ……。


スタッフ
主題歌:PUFFY「SweetSweet」(ソニー・ミュージックアーティスツ)
作詞 : 奥⽥⺠⽣・PUFFY/作曲 : 奥⽥⺠⽣
原案:エポック社
製作総指揮:前⽥道裕
企画・プロデュース:関顕嗣
監督:⼩中和哉
脚本:⼩林弘利
⾳楽:市川淳
プロデューサー:宮下昇、瀧澤⼤祐
アニメーションプロデューサー:森⼝博史、⼆⽊啓輔
⾳響監督:岩浪美和
制作プロダクション:ふればり
アニメーション制作:紺吉
配給:イオンエンターテイメント
宣伝:ショウゲート
製作::「劇場版 シルバニアファミリー」製作委員会
©2023 EPOCH/劇場版シルバニアファミリー製作委員会