名作漫画『惑星のさみだれ』がアニメ化します

ネットニュースを開いたスマホを握る手に、思わず力が篭った。
あの『惑星ほしのさみだれ』がアニメ化する。
ファンの誰もが待ち望んでは「今更もう無理だろう…」と諦めた妄想に、ついに実現の時が訪れた。
連載完結から12年。この夢のような企画を実現させてくれた関係者各位に、感謝の意を述べたい。

（ご報告）
「惑星のさみだれ」
２０２２年夏・アニメ化決定！
詳細は公式HPにて順次。#惑星のさみだれhttps://t.co/YNogJdqj01 pic.twitter.com/ie0rbqtFuK

— 水上悟志 (@nekogaeru) January 24, 2022

好きなロックバンド「the pillows」に因んだネーミングの物体（「ビスケットハンマー」「ブルース・ドライブ・モンスター」等）が登場すると知ったのがきっかけで、俺は連載終了とほぼ同時に本作と出会った。
漫画はさほど詳しくないので胸を張って言えることではないが、俺が今までに読んだ完結済みの漫画作品で、本作は確実に“人生のベスト5”にランクインする。




掲載雑誌『ヤングキングアワーズ』（少年画報社）はメジャーではないため、本作自体もさほど有名ではないのだろう。
だからこそ、俺は本作を多くの方に勧めたかった。多くの方に知って貰いたかった。
ようやく実現した今回のアニメ化で、それらの夢と「あいつらがアニメで動いている姿を観たいなぁ…」という妄想が、遂に全て実現する。

そんな『惑星のさみだれ』は、2005〜2010年にかけ水上悟志先生によって著された青年向け能力バトル漫画である。
専門用語こそ少々多いが、粗筋はいたってシンプルだ。




トカゲやカラス等の動物の姿をした“従者”に選ばれ、特殊能力“掌握領域”を発現させた“騎士”と呼ばれる契約者の老若男女が、互いに共闘しながら世界の敵＝“魔法使い”“泥人形”と戦う。
命を懸けて戦う“騎士”には契約の条件として、契約と同時に“願いを一つ叶える権利”が与えられる。
こうして契約者たちの願い、ひいては世界の命運を賭けたシリアスな戦いが、コメディ要素を多く交えながら単行本全十巻に渡って繰り広げられる…。

──この一見ありがちに思える粗筋に、もう一つだけ要素を付け加えておきたい。




世界を守る騎士たちのリーダー格となる“姫”となったヒロイン：さみだれは、とある事情から“自らの手で世界を破壊する”という最大級の破壊衝動をひそかに願っている。
厭世的なひねくれ者の主人公：夕日は彼女の魅了と圧倒的な力に心酔し、その野望に助力することを誓う。
頼れるリーダーどころか最悪の敵ともなりかねないさみだれの虜となり、表向きは契約通り“泥人形”と戦いながらも、彼女とともに世界の破壊を望む夕日。
しかし、個性豊かな“騎士”達との交流によって、凍り付いた彼の心に少しずつ変化が現れる…。




世界の守護者たる他の“騎士”達全員を敵に回してでも、夕日は世界の破壊を望むのか。
そしてさみだれの野望は、物語をどのような結末に導くのか…。
それは是非とも、漫画を手にとってご確認頂きたい。
“スロースターター”気味な作品なので、可能であればお読みの際はキャラクターの掘り下げが始まる四巻くらいまで一気に…。




十巻で全ての物語要素を過不足なくまとめ上げた物語構成。
個性的な“騎士キャラクター”達と、それぞれ固有の能力。
ひねくれた物語かと思いきや、“王道”を重視する熱い演出の数々。
主人公らしからぬ主人公：夕日の精神的成長と、ヒロイン：さみだれの得体の知れない魅力。
“指輪の騎士”“掌握領域”、“天の庭バビロン”“流れ星の矢ネガイカナウヒカリ”といった、厨二心を刺激する専門用語や固有能力のネーミングセンス。
魅力的な語りたい要素は他にも数多くあるが、煩雑になるためこの辺りで止めておきたい。




最後に、製作者の方々へ一言…。
主題歌・挿入歌は勿論、the pillowsでお願いします。





※見出し画像は水上悟志先生のTwitter、文中画像はAmazonより引用しました。