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「機動戦艦ナデシコ」で、大谷育江の声に惚れ込む

※ヘッダー画像は「機動戦艦ナデシコ」第22話サムネイル画像(YouTube)より引用しました。
※人物名は敬称略にて表記しました。


 アニメ「機動戦艦ナデシコ」のレビューを書こうとしていた。

主題歌:「YOU GET TO BURNING」。名曲。


 1996年〜1997年にかけて放映されたSFコメディロボットアニメ「機動戦艦ナデシコ」。以前から気になっていた作品だったが、この度ようやく観る機会が巡ってきた。2023年末〜2024年始にかけてYouTubeで行われた全話配信(14話〜26話に関しては1月20日まで配信中)で、俺は放映から約30年越しに「ナデシコ」の魅力に取り憑かれた。



 語りたい内容が、次々に脳から溢れ出す。
 幼少期に聴いたOPテーマの思い出。ダイゴウジ・ガイをはじめとするアクの強いキャラクター達。シリアスとコメディの危うげなバランス。終盤に明かされるとある人物の生存に対するカタルシス。「ディストーションフィールド」「IFSイメージフィードバックシステム」等のツボを押さえたSF設定。思い入れの強いアニメ「機動戦士ガンダムAGE」との設定の類似点。劇場版のセル画ロボット戦闘の素晴らしさ。劇場版ゲスト声優:仲間由紀恵の出番が30秒も無い件。
 数々のとりとめのない文章で、noteの下書きが埋まっていく。

下書きの一部。後は「ホシノ・ルリの魅力」「劇場版の異質さ」等をつらつらと書いた。


 いや、何かが違う。
 俺が本当に言いたいのは、そんなありふれた事じゃない。「ナデシコ」を観て最も語りたかったことを思い出せ。自分自身の心に正直になれ。俺が最も強く印象に残り、Web上に向かって高らかに主張したいのは、そう──



「白鳥ユキナ」役:大谷育江の声が可愛い。
 
この一点に尽きる。

「機動戦艦ナデシコ LINEスタンプ」より引用。
下記22話からのスクリーンショットも掲載したかったが、念のため自重した。


 大谷育江。
「名探偵コナン」の光彦、「ワンピース」のチョッパー、そして「ポケットモンスター」のピカチュウでお馴染みの大御所声優だ。このページを開いた方の九割九部は声も名前もご存知だろう。
 何とピカチュウ役は全世界共通(日本以外の放映においても吹替声優が存在しない)らしいので、野球で世界に羽ばたいた大谷翔平と双璧を成す、「世界二大 大谷」の一人……と呼んでも過言ではない。



 今日ではマスコット・少年的キャラクターが有名な大谷育江であるが、先日演じた新キャラクターが話題になり、Web上で「バズり」が発生したことが記憶に新しい。
 それは主役がサトシからリコ・ロイの二名に移った後の「ポケットモンスター」新シリーズにて、ピカチュウとの兼役で演じている敵ポケモントレーナー「サンゴ」。生意気な性格・挑発的な言動で熱烈なファンを獲得したらしく、「大谷育江の少女ボイスを初めて聴いた」との意見もよく目にした。

「ポケットモンスター」公式サイトより引用。
オニゴーリに「じばく」を命令していた。鬼……!


 マスコット・少年役以外の大谷ボイスは、一応これまでの人生で幾度か聴いてきた。僅かに覚えている範囲では、アニメ「東京アンダーグラウンド」の電気使い少女:シエルを。直近で聴いた中では、ゲーム「ファイアーエムブレム 覚醒」に登場するミステリアスな竜族マムクートの美女:チキを。
 「ファイアーエムブレム」シリーズの大ファンである俺にとって、チキの声は特に印象深い。過去作では幼い少女だったチキ。その成長した姿が新作に登場するとは、そして声優があの・・大谷育江になるとは……と、発表当時に驚いた記憶がある。その大人びた声(演者本人が大人なのだから当然だが)にもまた驚かされた。大谷育江=ピカチュウ。その強い先入観を持っていたためである。

「ファイアーエムブレム ヒーローズ」より。
ゲーム中でステータス画面をタップすると数種類のボイスが聴けます。
こちらのスクリーンショットでは何も出ません。



 そんな大谷育江が「機動戦艦ナデシコ」で演じていたのは、敵エースパイロット:白鳥九十九つくもの妹:ユキナ。終盤から登場する重要キャラクターで、個性が強い「ナデシコ」レギュラーキャラにも負けず劣らずの個性と魅力を発揮し、主要人物が敵との和解を目指すきっかけを作った人物でもある。
「ナデシコ」鑑賞前にキャスト情報は調べていなかったが、彼女の声は一発で大谷ボイスだと判別できた。と、同時に感じた。
 この声、可愛すぎやしないか。
 
どこか小動物的で小生意気、しかし憎めないあどけなさがある。その声を形容する言葉を他にもあれこれ考えたものの、声=音に対する感想は感覚的・観念的な文章に陥ってしまうため、これ以上丁寧に言葉を紡ぐのが難しい……。なので、「可愛い」の一言で総括させて頂きたい。



 その魅力を特に感じたのは、ユキナに焦点が当たる名エピソード:第22話「『来訪者』を守り抜け?」。
 兄をたぶらかした(と勝手に思い込んでいる)相手を暗殺しようと戦艦ナデシコに潜入するも、頑張りが全て空回りし、挙げ句の果てには暗殺対象に優しく介抱されてしまう……。ユキナの元気な可愛らしさと不憫ふびんさが炸裂するドタバタ劇だ。
 その可愛らしさの源泉は、間違いなく声にある。2024年の今聴くと、若干ピカチュウの姿が脳裏に浮かぶことは確実だ。しかし、この声のハマりっぷりゆえに、次にピカチュウの声を聞いた際「ピカチュウからユキナの声がする」と感じてしまうかもしれない。

 配信期限は1月20日(土)の17:59まで。「ポケモン」のサンゴが刺さった方には絶対に観て頂きたい。


 なお、アニメ「ポケットモンスター」は「機動戦艦ナデシコ」の後番組として歴史の幕を開けた。「ナデシコ」最終回の翌週に「ポケモン」第1話を続けて見た方は、きっと「黄色いネズミ型モンスターからユキナの声がする……!?」と困惑したことだろう。
 そして、その「ピッカァ〜」という鳴き声が四半世紀後も世界中の老若男女を虜にしている……と言ったら、目を丸くして驚愕するだろうか。いや、「大谷育江の声なら当然だろ!だって可愛いんだから!」と、腕組みをしながら納得するかもしれない。

 記念すべき「ポケモン」第1話。この頃のピカチュウはサトシと反りが合わず、生意気な態度をとってばかりだった。


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