フィリピン旅行記① 旅に出よう。

この前、フィリピンに行った。

仕事を辞め、特に何かを成し遂げているわけではない日々に焦燥感が少しずつ積もっていた。
そんな中、読んでいた森見登美彦氏のエッセイ集『太陽と乙女』の中に行き詰まった人間は「とりあえず外国に行ってこい。」という記述を目にする。
そうなのか。
影響を受けやすい僕はフィリピンへと旅立つことにした。

行くと決めたは良いものの、無理くり身体を動かして飛行機に載せて飛ばそうとするような考え。
自分の気持ちがイマイチ盛り上がってこない。
学生時代なら海外旅行前は異国の地へ向かう緊張感と未知との遭遇に対する期待感でよく分からない感情になっていたものだった。

出発の地、中部国際空港に着いても大量に湧き出るポケモンに向かいボール投げに勤しむ始末。
早々に切れかかるスマホの電池に、我ながらこれからの旅路を心配せずにはいられなかった。