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「短歌人」2021年6月号 月詠5首

ブラックに香料入れる神経を疑うことから始めてみよう

空を見る少女の蛇行ひらひらと桜の軌道を描いて転ぶ

ネクタイをなぜ締めるかと問われればいつか流れる血を止めるため

十年ぶりのカラマーゾフは父親が死なないままに上巻終わる

路地裏に逆さに置かれた木の椅子はその四つ脚を空につけ立つ


選歌を受けた以上の5首を「短歌人」2021年6月号の会員2欄(P70)に掲載していただきました。
1首目はブラック缶コーヒーの原材料に「香料」と書かれていたときの絶望感を歌いました。

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