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何年たとうが、あの時は常に鮮明のまま心に刻まれ続けている

つい先日、医療ミスでご家族をなくされた方と話す機会があった。どんな事故、事件であろうが、それが過失であろうがなかろうが、なぜ、あの時というのは、家族がトラブルに見舞われた当事者でしか絶対に理解できない境地だ。

 私達障害を持つ子どもたちを持つ母親たちもそうだ。みんなどこかでなぜ、あのとき、と言う感情は必ず持っている。みんなそれに蓋をするため、呪縛から必死に逃れるため、日々、自分の心と向き合い、落としどころを見つけ、平常心を必死に保ちながら生きている。そうしなければ、この世の中は無常なほどまで、無感情な牙を向けるときがいる。そのときに自分が壊れないように、私達母親はその訓練を強いられている。

 日常を営むだけでも相当な労力を求められる障害児育児。だからこそ、世の不条理というものは無視できない存在であり、立ち向かわなければならない現実だ。その現実と向き合うということは自分の精神をすり減らすことを意味している。しかし、自分の精神を疲弊してまでも許せない不条理は、時間がかかろうが、自分がボロボロになろうが、向き合わなければいけない事柄である。中には、もちろん、向き合うことを避けてこそ、生きられるそんな人も多くいる。大半がそうかもれない。しかし、私自身は許せない。

 何を言いたいかというと、今、産科医療補償制度を考える親の会を運営しているにあたり、機構とのやりとりを通して、制度自体に大きな問題があるにも関わらず、機構側の人間がそれを制度の一点張りにし、さらに、威圧的な態度を私達母親に対することが一番許せないのである。

 その態度を具体的にいうと、私が制度に対して納得がいかないので質問をする。当たり前だ。こちらはいたって平常心で質問をしている、しかし、機構側の人間は私の質問に対して「あとは弁護士に相談すればいいじゃないですか!」と、横柄な態度で接してくるのである。もちろん、私は弁護士なんてつけていないし、つける気もない。これは一例であって、話せばもっとある。

 機構側のコンプライアンスにも関わるし、会社でいえばパワハラに値する。

 補償対象外になった事例に関する説明は丁寧にすべきだと、異議審査委員会の委員長である大野氏もこのように言っている。

「再び補償対象外となった事案に対しては、家族に納得 していただける回答や家族への伝え方も含めて議論しています」

http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/other/pdf/sanka_news_05.pdf


 それなのに、窓口の人間はそれに反する行動に出ているのだ。

 どこかしらに救いがあれば、私も人間であるがゆえ、納得することもできるが、制度もそして、そこで働く人々に対しても多いに問題があるということで、私はこの不条理に立ち向かうことにしたのだ。

 制度の問題に関しては下記のHPを見て欲しい。補償対象になれば3000万が入り、障害児育児の経済的負担を緩和させられる、それはもちろんだが。私が今回、立ち上がった経緯は、機構の人間の対応が一番許せなかったからである。被害者は私だけではないことは確認している。

 そもそも心をすり減らしている、障害児育児をしている母親たちに対する威圧的態度は私は絶対に許さない。威圧的な態度により、あの時の鮮明さはさらに増していくのだ。

【親の会のHP】

【親の会のブログ】

【産科医療補償制度に関する記事】



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