妄想の世界

 僕は小学生の頃から大学4年生の今まで「妄想する」という日々のルーティンがある。小学生〜高校生までは登下校の間、大学生になってからはお風呂に入っている間で妄想をしている。

妄想の内容としては、簡単に言うと「自分が読売ジャイアンツの選手の一員になる」というものである。名前も決まっている。ニシノヤだ。そう、このアカウントの名前と一緒だ。この妄想を始めてから、ゲームなどアカウント名はだいたい「ニシノヤ」にしている。この妄想の設定は小学校の頃から何ら変わっていない。妄想の中では、ニシノヤはピッチャーもバッターもできて、守れるポジションも1つではなく9つ全てのポジションを守ることができる。大谷翔平なんて比ではない。

では、人物像はそういう設定として具体的に何の妄想をしているのか。試合に出てホームランを打ったりバッターを抑えるという内容は小学生で終わった。高校生くらいからは、野球の試合以外の妄想をしている。例えば、ニシノヤが情熱大陸に出た妄想をしたり、ニシノヤがいいとものテレフォンショッキングに出た妄想をしたり、ニシノヤが食わず嫌い王に出た妄想をしたりと野球の試合以外の妄想をしている。

また、最近では野球の仕事だけでなくニシノヤがドラマに出たり歌を出したりとあらゆる仕事に手を出している。歌に関しては決して自分で曲を作ったりはせず、その時に自分が好きな歌をさもニシノヤがリリースしたかのように妄想するのだ。多くの人はお風呂の中で歌を歌ったりすると思うが、僕はただ歌を歌うだけではなく、ニシノヤが東京ドームの大勢のファンの前でコンサートをするという妄想を通して歌を歌っている。

僕は以前の記事でラジオが好きだと話した。だから、もちろんニシノヤはラジオパーソナリティもしている。毎週土曜日に4時間生放送をしているという設定で、毎週土曜日にお風呂の中でラジオの妄想をしている。そこでは、お風呂の間僕がちゃんと声を出してラジオ番組をしている。簡単に言うと、ラジオごっこみたいなものだ。最初はその1週間にあった出来事を簡単に話し、いい感じのタイミングで曲紹介をし、曲終了後はフリートークをする。フリートークに関しては、他人のパクリ話ではなく実際に僕にあった出来事をベースにフリートークしている。誰かに聞かせるわけでもなく、ただの自己満足である。


話は変わるが、昨年僕は就活をした。就活ではもちろん、面接がある。僕は子供の頃から人見知りで、人前で話すことが苦手であった。だから、面接に苦手意識があった。

しかし、面接が本格的に始まると面接で不合格になることはあまりなく、無事内定をいただくことができた。

では、なぜ苦手意識のあった面接にそこまで足を引っ張られなかったのか。理由を考えると、あることのおかげであることがわかった。それは、「ラジオ」である。正確に言うと、「毎週土曜日に行うラジオの妄想」のおかげである。

面接中は事前に僕が想定している質問としていなかった質問がある。想定していた質問については練習通り話せば良い。ただ、想定していなかった質問は練習通り話すことはできない。多くの就活生はこの想定していなかった質問で面接の出来が決まるだろう。

僕はお風呂の中であったが、毎週フリートークをしていたおかげで想定していなかった質問をあたかもそれっぽい内容で流暢に話せた。明らかにラジオ前よりも流暢に話せていた。

こんな、「毎週お風呂の中でラジオの妄想をしている」という誰にも言えないような話が、人生の大事なタイミングで活躍してくれたのだ。もちろん、就活で活きるからラジオの妄想をしようなんて微塵も思っていなかった。ただ、結果的に意味あるものとなった。


だからこそ、今は何に意味があるんだと思っていることでもいつか必ず意味あるものになるかもしれない。いや、なるに違いない。なんせ、ラジオの妄想なんてものは何に意味があるんだと思ってすらなかった。今何に意味があるんだと思っているものなんて、余計いつか意味あるものになるさ。


なんて、とても胡散臭いセミナーみたいな結末になっているので、これは僕ではなくニシノヤのセミナーだと思ってくれれば幸いです。

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