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メルヘン「クラスペディア」12

クラスぺディアの切花も枯れた。


黒猫の豆皿は出窓のブックエンドの横に移動してあって、
クラスペディアの種がのせてあった。
母がしてくれたのか・・・。
種は徐々に乾燥していった。

図書室の本を借りれば彼女の名前とニコちゃんマークとメッセージと、日付けは見つける事ができた。
日付けは夏だけ。クラスぺディアの開花時期。

秋、この種を蒔きに入口駅の元病院の花壇に種を植えに行く事にしました。
入口駅を降りて階段を降りて花壇を見ると腰を丸めたおばさんがいました。
近づくと振り向いて満面の笑みで、
「こんにちわ。元気だった?」
3年前、学校前駅で会ったおばさんと再会。
「あ、はい。クラスぺディアの種を植えに来ました。」
「私もクラスペディアの種蒔きしてたのよ。」
と、まあるい顔は幸福を振り撒くような笑顔をくれました。

つづく

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熟成下書き

ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか?