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後悔先に立たずとは、よく言ったもんで

夫とは12歳差だったので、夫が割と若くして亡くなった=私も若いということになります。具体的に言えば、死に別れたのは夫57歳、私45歳でした。

死別するには若いが、人生をやり直すには歳を取り過ぎています。40代後半、決して若いとは言えません。自分では第二の人生をやり直す気力に満ちていても、側から見たら「今まで何していたの?」ってなります。これまでの経験を生かして生きていく年齢だと、私も思います。

夫が死んで2年ほどは、「死に体状態」でした。夫を失った悲しみや喪失感、もっと色々やってあげたかった後悔、そして子どもたちの大学進学、大学院進学という人生の大切な局面だったことも大きく、自分のことにじっくり取り掛かる余裕がありませんでした。それでも、周りの人たちの協力もあり、夫が残していった落語会主催事業の仕事を軸に、NPO法人を設立することができました。

そしたら今度は、新型コロナウイルスがやってきて、どうにか立ち上げたNPO法人での活動も暗礁に乗り上げてしまいました。企画していた落語会はほぼ中止、または延期になり、活動はほぼゼロ。何のために立ち上げたのやら・・・状態です。

元々、落語会の主催事業だけでは、食べていけるほどの収入を得ることは難しく、だからこそNPO法人にしたので(詳しいことは、そのうち別に書きたいと思っています)私自身の生活の糧は別で得なければならないのですが、これが、この歳になると、そう簡単にはいかず。当たり前ですが。厳しい現実に直面しています。

もう少し若い頃に、自分で稼げる「何か」を掴んでおけば良かった・・・と、後悔しても仕方ないので、今は今の自分にできる事をやって、日銭を稼いでいます。後悔先に立たずとは、まさにこのこと。昔の人は上手いことを言ったもんです。

そうは言っても、なんとか生きていかないといけません。何か世の中の役に立てることが私にもあるならば、その場所を見つけたい。こんな歳になっても、新しい事は始められる。はず。多分。何か、あるだろう。楽天的過ぎますか?でも、そう思うしかないもんなあ。

夫が多忙な人だったので、私は家にいて・・・なんて暮らしが懐かしいですが、それはもう3年前に終了してしまったので、頼れるのは、自分のみ。果たして、この先、どんな人生が待っているのでしょうね。他人事みたいですけど、ワクワク楽しみな気持ちもほんの少し、あるんです。不安だらけの中にも。自分の人生を客観視しながら、主役な部分を楽しんでいきたいと思っています。

そう思えるようになったのも、つい最近、やっとです。死別の負のパワー、おそるべし。私があっちの世界に行った時、夫に「あんたが死んだ後、こんなことがあってさ〜」と、面白土産話ができるよう、そろそろネタを仕込んでおかないと。夫に合わせる顔が無い。

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