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狐狼の血Level2はヤクザSFの駄作だった

狐狼の血をやっと鑑賞
この映画は、空を飛ばない地味なSFで
任侠映画を終わらせるために撮られたと考えて良い。

ラストシーンで狼を追いかけるシーンで
今作がSFである事を明示しているかの様に
思えたが、割と前半からSF感が満ちていて
観ていて辛い部分があった。
しかしながら、楽しく見れる部分があった。
良かった点は、松坂桃李だ。
この男優は異様に良い。鈴木亮平が安物のヴィランにしか見えないのに対し、松坂桃李はそれを超越した何かに思えた。
でも、存在としては不死身の松坂桃李の方が
SF感は強く、リアリティが全くないので戦犯ではある。

任侠映画には、そこそこのリアリティは必要だと感じる。任侠映画の見どころは結局たった1つだけで
人間同士の争いでしかない。
ビームも、特殊能力もない人間が争うのだから
その争いがいかに痛いか、辛いかが見所になる。

しかし、本作の登場人物には存在感がなく
粘土で作られたかのような型はまり演技ばかりで
何も痛そうではない。
タバコは、常に吸い始めで
よーいスタートに合わせて役者に持たせてるのが
最初の興醒めポイント。

ヤクザが大勢寄ってたかって
筧美和子に襲撃をかけるのに、ブラジャーすら外さない上品ぶり。
西野七瀬は、泣けもしない。
弟が文字通り目の前で死んでるのに
感情が一つしかない演技しかできない。

この映画のテーマが太陽を盗んだ男のように
ぶっ飛んだ設定なら、あのファンタジーな役者たちも
イキイキしたものに見えただろうと感じる。

ヤクザは今も昔も日本に存在する。
半グレも殺人者も各都道府県に必ずいる。
それを感じさせてこその任侠映画。
それが、無理ならストーリーを最低でももう少し面白くしてほしかった。

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