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(小説5分読書)四辻御堂物語~水龍の巫女と妖狐の罠~(宿命③)
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以下本文
スオウが母のことを、アヤカシ界に起こったことを淡々と話す。四辻御堂で聞いた話をこうして改めて聞くと、母はなんて無茶なことを1人で背負い込んでいるのだろうと少し腹立たしかった。私を巻き込まない為とは言え、結局私は寂しい思いをしてきたし、母が居ない父と2人の数年は正直辛かった。
半信半疑だった気持ちも、スオウの話を聞くみんなの様子から疑いようのない事実なのだと実感した。
「ここまでになるまで話をせず、澪さん1人に任せてしまい申し訳ありやせんでした」
スオウが深々と頭を下げる。この男が謝ることなんてあるのかと驚いたが、真剣なその姿からは母を思う気持ちが本物だとわかる。もしかしてスオウは、母のことが好きだったのではないだろうか。巻物によればアヤカシと人間も結婚できたみたいだし。私の扱いが雑なのは母に対して未練が残っているからだろうか。
「スオウさんが謝ることではないよ。これはあの子が自分で決めたこと。そうか、あの子は今そんなことになっているのかい」
お婆ちゃんが小さくため息を吐く。他の人もみんな俯いて黙り込んでしまった。なんだか嫌な予感がする。
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