見出し画像

四辻御堂物語~水龍の巫女と妖狐の罠~(暗雲⑧)(無料試読あり)

割引あり

次話全話前話

(本文、表紙絵の無断転載等、著作権侵害となる行為は禁止です)

スキ♡での応援もお願いします!

全話一覧で、SNSで拡散のお手伝いをしてくださると無料で全文読めるお話も要チェック!

メンバーシップ会員(初月無料)になるとお得に先読みができます!


小説マルシェについてもっと知りたいという方はこちら↓の記事をお読みください


.:*゚..:。:.☆.:*゚..:。:.:*゚..:。:.☆.:*゚..:。:
☆感想、お問い合わせ等は公式LINEを友達追加すると便利です!
.:*゚..:。:.☆.:*゚..:。:.:*゚..:。:.☆.:*゚..:。:

以下本文


 狐たちに追われて、右も左も、上も下も、訳がわからないまま走り回っていたら、武器庫のような部屋に迷い込んでしまいました。
 矢や銃、剣、刀、あらゆる武器が並んでいて、よく見るとそれぞれの武器にさっきと同じ黒い勾玉が付けられて、壁にはペンダント状にされている勾玉もたくさん掛けられていました。それがすごく不気味で。急にゾワっと鳥肌が立って、恐ろしくなって出ようとしたら、ひとつ勾玉が落ちていることに気がついたんです。
 扉の向こうに追っ手の気配が無いことを確認して、ボクは変化の術を解き、勾玉を拾い上げました。中で動く黒いモヤに目を離せなくなって、なぜか、「どうしてもこれを持って帰らなくてはならない」と思ったんです。
 1度そう思ったらどんどんそれが強くなって、そのことで頭がいっぱいになった時、大きな音と共に扉が開け放たれました。びっくりして、ボクは咄嗟に勾玉を口に入れて飲み込んでしまいました。それからまたボクはネズミに化けて壁の穴に逃げ込みました。

「見つけたぞ! 我らの勾玉を盗んだ!」

 それからどうやってここまで来たのか・・・・・・。体を裂く術や刃物が体中をかすめていって、痛みと恐怖で自分がどこを走っているのか、飛んでいるのかもわからなくて。それでもなんとか森の端まで戻ってきて、外の明かりが見えた時、ボク、ホッとして。思わず狸の姿に戻ってしまったんです。
 そうしたら森の出口に、あの女狐おんなぎつねが立っていたんです。師匠の尾を奪った、狐族の頭取。ボクの家族を殺した、あの女です。その隣には、狐面の女も立っていました。

「ただでその勾玉をやるわけにいかんなぁ。え? 子狸よ。スオウによろしくな」

ここから先は

1,681字 / 1画像
この記事のみ ¥ 0〜

この記事が参加している募集

頂いたサポートは主にまつかほ家の食費、執筆活動費、そして娘の画材購入費になります。サポートしてくださった方には良いことが立て続けに起こるおまじないをかけておきます。