描写の改善例② 描写&休止法、描写&情景法
この記事の続きです。
組み合わせを考える
「説明か描写か」と「休止法か情景法か」は、それぞれ別の軸です。ですから組み合わせが4パターンあります。要約法を含めるともっと多いのですが、この作者は意図せず要約法になっちゃうような初心者ではありません。かなりしっかり書けるので一般的には上級者かもしれません。それなりに厳しく見ても中級者です。ですから要約法を含めたパターンは割愛します。
というわけで、以下の4パターンの書き方について把握しておくといいでしょう。
そして「虚構を伝える力」において描写が一番目、情景法が二番目の要素です。したがって上記は下の項目ほどより強く虚構を伝えやすいです。
改善案を考える
さて、ここからが本番です。概論を伝えるだけなら他の人でもできることです。試行錯誤の過程を含めた実例を提示してこそマシュマロ式です。しかも送信者の人がちゃんと購読して記事を参考にしているとのメッセージも届いちゃいました。気合い入れて実例を考えていきます。
もしおのおの、「これは微妙だろう」「ここはこうしたほうがいいんじゃないか」なんて思う箇所があったら、それを大事にしてください。それこそがあなたの作家性の種です。
説明&休止法
先ほども述べたように、例文がこれにあたります。時間を止めつつ、抽象的な情報を提示します。理解させるには一番手っ取り早い書き方です。
改めて読んでみましょう。
よく伝わる説明です。体言止めで畳みかけるテンポもいいし、文章も読みやすくて上手いです。これを描写と区別できないから問題であって、説明としては本当に素晴らしいと思います。
説明&情景法
このパターンは説明ではあるものの、時間の流れが伴う書き方をするということです。時間の流れを発生させるには、基本的には何らかのアクションについて書きます。逆に言えば、例文は「潜る」「めぐらせ」しかアクションが書かれていないからほぼ休止法になっているわけです。
というわけでアクションを軸にがっつり書き換えてみます。