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「月の満ち欠け」を読んだらこの世に未練たらたらになりそうになった

読書感想文というか、なんだろうな。強いていうなら考察班です!
Don’t Worry Darlingの記事にも書いたと思うんですけど、私基本属性が考察班らしく、勝手に考察して物語の背景考えたりとか、違う選択をした時のもしもの話とか大好物みたいです。
なので全て私の想像です。答えは作家さんしかわからない。もしかしたら登場人物たちにしかわからないかもしれない。

ぼろぼろ泣くと思ったけど、意外にも涙は出なかった。
良い。淡々と、でも物語が進んでいって伏線が回収され紐解かれ、持った(持たされた)疑問は解決されていく。
感情にフォーカスしたというより、事実とか出来事に対して重心を置いている感じだから涙腺には響かなかったのかもしれない。
後映画版の予告で感動の物語!って大々的に宣伝されているのが先入観としてあったからかもしれないな。

奈良岡瑠璃が、正木瑠璃になり、正木瑠璃が三角哲彦と出会って、そこから瑠璃としてのループが始まるわけでしょ。
きっかけは正木の先輩が試しに死んでみる、と書き残して自死して、それについて考える。その後かその前に出会ってたのか、多分先輩が死んでからアキヒコくんと出会ってるはずなんだけど、それで強く一緒にいることを望んでしまって(しまって?)瑠璃としてのループが始まるんだ。

瑠璃の死後すぐに生まれる予定の赤子とすり替わって、また瑠璃として生まれてくるんだよね。年が、瑠璃の年齢が、そうなってる。

正木瑠璃は小山内瑠璃として生まれ変わって、アキヒコくんに再会する直前で死んで、小沼希美になって、またもや再会できず死んで、緑坂るりとして生きてる。
この生でついにアキヒコくんと再会を果たした。三度目の正直か。

そして瑠璃のアキヒコくんへの執着、が主としてメイン課題として動いてる他方、二度目の瑠璃の時の母親で協力者でもある、瑠璃のアキヒコくんへの想いが理解できるほど、夫のことを愛していた梢の話も途中でブッ込まれるんだよ。

全然注意を払ってなかったけど、急に出てきたし、なんなら不自然、まではいかないけど、瑠璃の話じゃなかったか?瑠璃の話は信じないで、もう次の、というか妻と娘の死を乗り越えて自分の人生を取り戻そうと(?)してるんだ、みたいな解釈を私は小山内に対してしてしまって、途中でみずきたちが出てくる意図を全く理解できてなかったんだけど、全ては繋がっているわけです。

正木は瑠璃に人生を壊されたかのように振る舞っているけど、多分あれは自業自得というか、自分の理想だけに取り憑かれて、周りを型にはめる方に注力してしまって破滅したパターンだよね。

でも瑠璃の人生に正木は関わってる。
正木と出会って結婚して、それがうまくいかなかったからアキヒコくんと出会えたわけだし、正木瑠璃じゃなかったら多分アキヒコくんには出会えてないから瑠璃のループも始まりはしなかった。

だから小山内瑠璃のときも正木には出会ってるし、希美の時は覚醒する前に出会ってるから懐いてたし?交叉する運命ではあったのか。
でも正木が登場するせい(おかげ)でアキヒコくんとは結ばれない。
正木がいなくなった緑坂るりの生でようやく再会を果たすわけで、
WESTWORLD的に言うと、正木が存在するうちは瑠璃の道は正木に続いていて、どうしてもアキヒコくんには続かないの。
(そういえばWESTWORLDついにS4見終わったのでそれについては別で書こうと思う。)

でも、その正木に続く道がなくなったことによってようやく瑠璃の道はアキヒコくんに続くようになる。
そして瑠璃のループは止まるのかな。
いやもしかしたら年齢差があるからどうしても、老衰で死ぬのであれば、先に死ぬのはアキヒコくんで、アキヒコくんが正木瑠璃みたいにもう一度瑠璃に会いたいと思ったら、アキヒコくんのループが始まって、瑠璃と再会するまではループが終わらない。
ついぞ瑠璃みたいに3度目で再会を果たして満足すると今度は瑠璃の方のループがまた始まる、で延々と永遠に終わらないループへの道ですね。

アキヒコくんと瑠璃のループは多分いつまでも続くんだろうな。
そしてループを続けるためにどちらかは短命で終わるんだろうね。
それこそ短命で三度目の正直で再開したら、今度は立場が逆になってまたループを起こすって感じかな。

小山内と梢のループは小山内の思いの丈によると思う。
小山内が多分老衰で死ぬと思うけど、その後にも梢に会いたいと思ったらループ始まるかな。
でも小山内はなさそう。
梢は人生半ばで突然瑠璃に巻き込まれる形で死んでるから、瑠璃に協力してるから、瑠璃の身に起こったことは自分にも起こるのではないか。
思いの丈はルリに負けない、だからこそ生まれ変わって小山内に会いにきて、
でもここはちゃんと1回目で出会えてるから、小山内と梢はこの一回で満足して終わりそう。
巻き込み事故の償いではないけど、そんな形でのチャンスなんじゃないかな。

三度目の正直で選んだのが、かつての同級生で仲良くしていた子、ゆいっていうところがまた来たるべくしてやってきた機会というか。
話をしているから既に事情を知っている、その上でその記憶と照らし合わせるように言動すれば信じざるを得なくなるし、かつての友達としては協力したいだろうし、ようやくの再会で。

実は三角が姿を現さないのは、表す直前でるりが事故に遭ってまたアキヒコくんと再開できずまたループに陥るのかなと思ってたんだけど、小山内に会う前にすでにアキヒコくんと再会していたんだねるりは。今度こそ。
願わくば、こんな辛いループがもう起こらず、幸せに生涯を全うして欲しいと思うよ。

機会があれば、映画版も公開しているうちに見に行ければいいな。
洋ちゃんもコウちゃんも好きだし、めめも架純ちゃんも出てるし、出演者的には見に行かざるを得ない、個人的に。


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