6月7日 食の安全について

 結論からいうと、旧時代よりも食は安全性が高まった。

 というよりも、旧時代の安全が乱雑だったと言えるかもしれない。

 その代表として語られることが多いのが遺伝子組換え作物や食品添加物だ。

 食品添加物は安全性を高めるために実質的に廃止になっていたけれど、遺伝子組み換え作物は収穫量が確保できないということから栽培されなくなっていった。

 遺伝子組み換え作物の栽培量が減少したことによって、様々なものが値上がりした。分かりやすいものだと大豆製品だが、原料として大豆やトウモロコシを使用している加工食品は全て高騰した。

特に著しい値上げをしたのがマヨネーズだ。鶏の餌としてトウモロコシが使用され、原料の大半を占める油は大豆油が多かった。実際に見聞きした訳ではないけれど、卵やマヨネーズなどは店頭から姿を消し、野菜と米・魚以外がスーパーに並ばない日も珍しくなかったらしい。

 現在では、輸入品が入ってきたり、高価格(特にそう思ったことはない)に慣れてきたということもあり、品揃え自体は昔と変わらないとのこと。

 しかし、旧時代ではあり得なかったこととして、野菜は、ほぼ農薬や化学肥料を使用していない。輸入品の一部には使用されているものもわずかながら存在するらしい。

これも、安全性のために実施されているわけではなく、環境保護や収穫量を確保するために行なわれている。同じ理由で、全粒粉や玄米の流通量は増加している。結果として糖尿病などいくつかの生活習慣病は少なくなっているらしい。ただ、それが主因ではないとする人もあり、事実は定かではない。

 今でも加工品は工場内で作られるが、菌濃度は屋外の数千倍にもなることがあるらしい。最近では、そのことを考慮してか、屋外で加工を実演するジビエのソーセージ屋やピザ屋などが出店している。

 加工肉に発色剤が用いられなくなった影響もあるのか、先に挙げた糖尿病と同じ様に、がん患者も全ての種類の癌ではないが、減少している。

 ただ、一部の知識人たちは、加工品や肉の流通量が減少し、相対的に野菜や未精製の穀物の消費量が増加したからだとしている。

 何にしても、旧時代の様に、寿命と健康寿命が十年以上の開きがあることは無くなった。だからといって早く亡くなるようになった訳でもなく、なんなら世界トップに返り咲いた。

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