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二段熟カレー
2022年11月29日 01:03
目を瞑って自分の内側に意識を持っていくとホームの雑踏が段々と消えていく。外側からの音は聞こえなくなったのに反して鼓動だけが体の中で共振し響いていた。低音が鳴り続く。ドッ、ドッ、ドッ、ドッ。ライブ会場で聴けるような良質なものではなく、車の足元を照らし爆音で走るアルファードのような響音。この感覚をどこか知っていた。記憶が少しずつ鮮明になっていく。自分は水の中にいた。瞼の裏にその感覚を写す。プール