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電球が照らす私の世界②

休みの日に、ふと気が付いた。

夕暮れ時になると、だんだん憂鬱になってくる。「あぁ、部屋は暗いんだった……」
本を読んだり、大好きな着物のコーディネートを考えたりする事が出来ない。
そしてそのうち、何にも出来ない→したくないに変わって行った。
しばらくそんな風に過ごしていると、夕暮れ時に限らず、毎日がつまらなく感じてきた。

たかが電球が切れただけで?!
それが全ての原因とは言わないまでも、大部分を占めている事に薄々は気づいていたが……。
すぐに電球を交換!とはならないのは、やはり怖いから。

カバーの中身が怖い。
絶対に蜘蛛がいる、それもたくさん。
そして、高所恐怖症。家にある脚立はイスとほぼ同じ高さだからギリギリ手が届く位。

カバーを外すことなんて、絶対に出来ない!!

それでも3月に入ると、私の中からのSOSの声もだいぶ大きくなってきた。このままで居たくない。もう、3月なのだから。

私は決心した。
電球を替えるために、カバーを外す。
どんなにたくさんの蜘蛛(の死骸)が出てこようとも、受け止め……られるかどうか。いや、外す時は目を瞑っていよう。

照明の下に脚立を置いた。

つづく

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#光
#恐怖
#スピリチュアル
#家族



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