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α-γ連関について

今回は臨床BATON特別企画として歩行セミナー講師の中上先生にブログ書いて頂きました。

このブログ100円となっていますが、今回は無料で全て閲覧可能となっております。是非明日からの臨床にお役立て下さい。

どうも!脳卒中の歩行再建を目指す理学療法士の中上です!

歩行機能を考える上で姿勢制御の観点や、下肢の筋活動調節において、脊髄機能は非常に重要な要素となります。

その際に脊髄自体がどういったメカニズムで作用しているのか?を理解することは、歩行時における筋活動を治療する上でかかせない知識となります。

なぜ運動麻痺があり、随意収縮が引き出せない脳卒中患者さんが立脚期に体重を支持できたり、遊脚期に足を出すことができるのか?

実はここには脊髄と筋肉、または脳を介したシステムの中で、運動情報がどのように連結しているかを把握する必要があります。

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今回はそんな脊髄機能を考えていく上でよく耳にする【α−γ連関】の機能についてまとめていきたいと思います。

これらの機能を理解することで、歩行時の下肢筋群の活動を司るCPG機能を理解することにも繋がるので、是非ご一読ください!

これらは以前のセミナーでもお伝えした内容を含んでいます。

詳細を知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

脊髄前角細胞とは?

脊髄は大きく機能を有する灰白質と、その機能を他の部位へ投射する神経線維の通り道である白質にわかれます。

さらに灰白質の中でも場所によって脊髄内の部位には名称がつけられ、

・後ろ側の感覚情報などの筋や皮膚からの求心性情報などの入り口の後角
・真ん中には交感神経などの神経節が通る側角
・前の運動神経が存在する前角

の大きく3つの部位に分けられます。

そして、前角の中には運動機能に関わる神経細胞である

・α運動ニューロン
・γ運動ニューロン

の2つが存在します。

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そして、この2つの運動ニューロンは骨格筋の中でも錘外筋と錘内筋(筋紡錘)の別々の部位へ投射することでそれぞれの役割を介して骨格筋の制御に大きく関わっています。

・α運動ニューロン:骨格筋(錘外筋)の収縮
・γ運動ニューロン:筋紡錘(錘内筋)の感度を調整

では、これら2つの運動ニューロンは運動時別々に働くことで、それぞれの錘外筋・筋紡錘の機能を働かせているのかというと、これらは常に協調的に働くことで、運動時の筋活動に関与しています。

その際に重要になってくるのが、これらの協調作用である【α−γ連関】という機能になります。

α−γ連関ってそもそも何?

α−γ連関とは、骨格筋の随意収縮に関わるα運動ニューロンと不随意の筋緊張に関わるγ運動ニューロンの2つの関係性によって成り立つ骨格筋への作用になります。

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つまり簡単に考えると、これら2つの運動ニューロンが働くことで、骨格筋は常にアイドリング状態になることで、そこから運動する際にも骨格筋が絶えず働きやすい状態にあるということを表します。

ではこの2つ運動ニューロンによって具体的にどうやって骨格筋の働きを制御しているのでしょうか?

ここからは脳の機能と合わせて考えていきます。

1.大脳皮質で運動情報が作られる

まず重要なのが、随意運動が起こる際には必ず運動の前に先行して必ずどういった運動を行おうかという企画がなされ、それに対する適切な運動のプログラムが生成されます。

その際に主に運動企画には前頭前野が、プログラム生成には高次運動野(6野)が働きます。

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2.6野から脳幹ー脊髄に情報を送る

運動プログラムは今までの運動経験や課題などによって、随意運動を行う前にどういった運動を実施しようかということが、高次運動野の中でも補足運動野と運動前野の2つの部位によって生成されます。

これら2つはそれぞれ脳の別部位と連結することで異なったプログラムの生成を行います。

補足運動野は大脳基底核と連結することで記憶誘導型運動を、運動前野は小脳と連結することで視覚誘導型運動のプログラムを生成します。

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そしてそこから下ろされた情報は皮質網様体脊髄路を介して脊髄前角にあるγ運動ニューロンに作用します。

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下記の記事でも高次運動野(6野)と脳幹機能についてまとめています。

3.γ運動ニューロンが筋紡錘の感度を調整する

脊髄内のγ運動ニューロンを下行した運動情報は、骨格筋の中にある筋紡錘に出力し、筋紡錘の感度を調整します。

この筋紡錘は絶えず骨格筋に対して筋の張り具合を調節し、そこからの求心情報を脳にフィードバックさせます。

そして、この筋がもつ張り感のことが筋が持つ微弱な収縮状態としての筋緊張として表します。

4.筋紡錘からⅠa・Ⅱ線維を介して筋緊張調整に関与

本来骨格筋(錘外筋)の収縮などによって、その中に存在する筋紡錘に対してたわみが生じます。

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筋紡錘の筋の張り感や速度の変化を感知するため、錘外筋と同様に筋収縮に伴い筋紡錘がたわみをもってしまうと、それだけでは筋緊張はゆるみが生じてしまいます。

この時にγ運動ニューロンの働きにより筋紡錘の感度を調整することによって、関節がどの肢位にあっても筋紡錘がゆるむことなく、その筋紡錘から絶えず求心性情報がα運動ニューロンに送られます。

そのことにより脳からの随意的な収縮指令なしに、不随意的に骨格筋が弱い収縮(筋緊張)を行います。

5.骨格筋(錘外筋)を収縮させる

γ運動ニューロンが働き、筋紡錘の感度が高まった状態の中で、次にα運動ニューロンを発火させるための一次運動野から皮質脊髄路を介して随意運動に必要な錘外筋を行います。

それと合わせて運動中は絶えず脳幹などからはγ運動ニューロンに情報が出力され、筋紡錘が働くことで筋緊張は動きに合わせて適切に調節され続けます。

このことで、筋が収縮状態(短縮位)になっても、Ⅰa線維の発火頻度が持続されることで、α運動ニューロンが活動しやすい状態にあるということです。

この作用によって、骨格筋を働かすためのα運動ニューロンへの刺激は持続的に送り続ける必要がなく、少ない力で骨格筋を収縮させる(運動を維持すること)ができるのが、α−γ連関の最も重要な特性になります。

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α−γ連関に関するまとめ

つまり、まとめると人が骨格筋を働かせ、運動を実施する際にはα・γそれぞれの運動ニューロンが相互に作用することで、筋が常に働きやすい状態に維持され、収縮が持続(運動持続がしやすい状態)されやすいということです。

つまり、こういった機能が本来姿勢保持に必要な骨格筋の不随意的な収縮(姿勢筋緊張)として働くことで、我々は姿勢を維持したりする際にも骨格筋を常時随意的に活動させる必要がないという解釈にもつながります。

そしてこういった筋(筋紡錘)からの求心性情報は、歩行時のCPGの機能における屈筋・伸筋の切替においても非常に重要な役割を有しています。

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これら歩行に重要なCPGの機能やCPG賦活のための臨床解釈については、次回のセミナーの中でお伝えしていきます。

是非興味のある方はご参加ください!

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