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新人から身につけておきたい!論理的思考能力の方法と実践!~3つの思考能力が臨床を変える!~

本日は、臨床BATONにお越しいただきありがとうございます(^^)/
44日目を担当させていただきます、みーさんです。私は大阪の病院で勤めている、悩み多き5年目の作業療法士です☆彡
私なりに、色々悩みながら、また先輩や患者さんに教えていただきながらここまでやってこれました。私自身まだまだ未熟ながらも、新人のセラピストさんに私の経験を踏まえて学んできたことや役立つ情報をお伝えします。
前回は、新人セラピストさん向けに書かせていただいた「作業療法士の役割とアプローチ方法」というテーマで書かせていただきました。もし、ご興味ある方は、見て頂けたら嬉しいです✨​

こちらをクリック↓

【テーマについて】

 本日のテーマは、「新人から身につけておきたい!論理的思考能力の方法と実践!~3つの思考能力が臨床を変える!~」についてです。
私はここ最近、「論理的思考能力」というキーワードについて深く考える機会があり、この「論理的」に物事を考えたり、伝えることは、臨床に必要なのでは!?そして、誰よりも特に新人の頃に、このスキルを身につけられていたら、より患者さんの役に立てただろうと強く思いました(*^_^*)


 私が新人の頃、カンファレンスなどで作業療法としての意見を述べる時に、なかなか意見が理解してもらえない時期がありました。ただ、意見を聞いてもらうだけでなく、現状を変えたい(例えば、臥床傾向の患者さんを離床していきたい)とする場合、より論理的に意見を述べないと相手を納得させることはできないのだと思いました・・・


 正直私自身が、あまり物事をよく考えず、フィーリングで生きてきたタイプの人間なので、この類は本当に苦手です( ;∀;)/しかし、患者さんを良くしたい!とするならば、論理的に考え行動すること程、必要な能力はないと本当に実感しています!!

 そこで!!今回は新人セラピストの方々に、「論理的思考」の方法と実践をお伝えしたいと思います。また、論理的思考ができている方でも、確認までに見て頂いて、明日からの臨床をより良くして頂けたら幸いです<m(__)m>

【論理的思考能力とは】

 そもそも、論理的思考能力とは、どのように定義されているのでしょうか。

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論理的思考力:論理に基づいて思考する能力(の高さ)という意味で用いられる表現。 道理や筋道に則って思考を巡らせて結論を導いたり、あるいは、複雑な事柄を分かりやすく説明したりできる能力として主に捉えられる。 英語の logical thinking(ロジカルシンキング)の訳語としても用いられる。引用:Weblio 日本実用語辞典

また、道理や筋道の定義とはいうと・・・

道理:
① 物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「道理をわきまえる」「道理に外れた行為」
② すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば道理な話」
引用:goo辞書

筋道:
① 物事がそうなっているわけ。事の条理。道理。「筋道を立てて話す」
② 物事を行うときの正しい順序。「筋道を踏んで事を進める」
引用;goo辞書

つまり・・・

「論理的思考能力」とは「ものごとを、正しい順序で、考えたり、わかりやすく説明したりできる能力」だと言えます。

ここで、出てきた「正しい順序」とは様々だと思います。しかし、要は結論までスムーズにたどり着いたり、相手に伝わりやすい順序のことだといえます。今回は1例として、「正しい順序」の方法と実践をお伝えできたらと思います。

【論理的思考の方法】

ここからは、論理的思考の方法についてお伝えしていきます。

結論から言うと・・・
「3つの要素をおさえる!」


その3つの要素とは!?
①主張
②データ
③理由づけ

主張 (1)

これらの、要素を順序立てて考えることで論理的な考えや話をすることができます。逆に、これらの要素を意識できてないと「非論理的」な話になってしまい、何を話したいのか、どう考えているのか分からない・・・説得力に欠ける内容になってしまいます。

では、各々の要素について説明していきましょう!

要素①
「主張」…言いたいこと、主張のことです。

要素②
「データ」…主張を支える経験的事実のこと。例えば、統計資料・専門家の意見・体験等があります。主張だけでは、なぜそうした主張になるのか納得できないものです。

要素③
「理由づけ」…主張とデータを結びつける判断基準のことです。主張とデータがわかっていても、なぜ、そのデータからその主張にいたるのか分からないことがあります。

ざっと、内容をお伝えしました。

【論理的思考の実践】

上記で、論理的思考方法の要素についてお伝えしました。だいたい、言いたいことはわかるけど実際どうするのか?についてここでお伝えします。

実践:
とある患者さんのゴール設定をどうするかについて、あなたが担当者だとしてどのように考えを展開しますか?

現状:左視床出血(内包後脚へもやや出血あり)、80代女性 
発症1ヶ月 Brs-t上肢手指stageⅣ 下肢stageⅤ 表在感覚軽度鈍麻 
右手指巧緻性低下 現状スプーン操作にて食事摂取 希望は箸操作

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主張:「Aさんは、箸操作獲得をゴールと設定します。」

データ(根拠づけ):発症1ヶ月の時点で大まかな手指の分離ができており、

道免らも、発症1ヶ月時点で手指のSIASが3(全指の分離が可能)であれば5割の確率、SIAS4(分離運動の軽度のぎこちなさ)以上であれば8割が実用手となる。引用文献:道免和久:脳卒中リハビリテーション.大橋正洋.木村彰男.蜂須賀研二(編):脳卒中リハビリテーション.pp102-109,金原出版,2001

理由づけ:日常生活はほぼ自立しているが、手に問題があって家族や友人と外食する際に箸を使えるようになりたいと本人の強い希望とエビデンスと経過から箸操作や実用手の獲得は、可能と考える。

※例えば、これらが昔の私の考え(非論理的)なら
主張:「Aさんは、箸操作獲得をゴールと設定します。」

データ(根拠づけ):なぜなら、毎日リハビリを拒否することなく頑張っているので。

理由づけ:希望や毎日の頑張りをみると、箸操作や実用手の獲得は、可能と考える。

とデータ部分での内容が不十分である場合をあげましたが、説得力に欠ける内容となってしまいました。

【論理性をチェックする】

①主張②データ③理由づけを意識することで、論理的な思考は可能ですが、なかなか上手くはいかないかもしれません😢そんな時はあなたが立てた思考に、質問を投げかけてみてはいかがでしょうか?

チェック①
主張に対して「なぜ、○○(主張)と言えるのですか」と問う…ここで答えとしてデータが出てきたら○

チェック②「なぜ、そのデータから、○○(主張)と言えるのですか」と問う…答えとして理由づけが出てきたら○

このように、①主張②データ③理由づけがリンクしていれば、各々の関係を「正しい順序」で考えていると言えます。

良かったら、ご自身の考えに自問自答してみてください。

【まとめ】

本日は、論理的思考能力の方法と実践について書かせていただきました。まずはシンプルに、ご自身の考えが、順序だてて思考できているか、思考経過を紙に書きだすなどして確認してみてください。そこでポイントとなるのが①主張②データ③理由づけがあって、自問自答したときに、それぞれが関係しあっているか確認してみてください(*^_^*)
そうすることで、「何となくのリハビリ」から「論理的思考」の下で作られたリハビリになり結果も格段と変わるでしょう☆彡

最後まで、読んでいただきありがとうございました☆彡明日は、言語聴覚士つぼさんです!明日から実践できる内容となっています!こうご期待!

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