見出し画像

Rey複雑図形検査

お疲れ様です。はらリハです。

本日は…
運転評価:Rey複雑図形検査(ROCF)の方法/採点/解釈」について説明します。


はじめに

 Rey複数図形検査(ROCF)は脳卒中患者の『視空間知覚/構成機能/非言語性視覚記憶』を評価する神経心理学検査の1つです。

 この検査は、34本の線分と内部に3つの点で構成される無意味で複雑な図形を…

① 被験者ペースで模写させる模写課題と、
② 一定の時間(一般的には3分)が経過した後に思い出して描かせる再生課題

 から構成されます。

ROCF

 図形の模写と、覚えた図解を可能な限り描き出す課題なので、失語症の方でも視覚性記憶の評価として用いることも出来ます。

 記憶面で用いることが多いですが、上記にも書いている通り、模写の観察から半側空間無視、構成障害、注意障害、視覚性認知、視空間構成も評価が出来ます。

※ 運転評価として行う場合は、模写のみで構成機能の問題がないかを評価します。

 では、検査の方法と採点、解釈を説明します。

検査の方法

 どちらの検査も…

※ 模写終了時に、後でまた書いてもらうことには触れないようにする
※ 模写と再生の間は、言語性課題や雑談などの干渉を入れる(他の模写/描画課題は挟まない)

① 方法:一般的な方法

1)Rey複雑図形の模写
→時間指定はせず、終わったら声をかけてもらう

2)3〜30分後、Reyの図形を隠し、図形をもう一度書いてもらう(石合先生の高次脳機能障害学では3分で実施を推奨…前向性健忘の有無)

 声かけは「先ほど描いた図形をもう一度描いて下さい。できるだけたくさん思い出して描いて下さい」

② 方法:即時再生と遅延再生の比較

1)Rey複雑図形の模写
→時間指定はせず、終わったら声をかけてもらう

2)Reyの図形を隠し、図形をもう一度描いてもらう(即時再生)

3)30分後に、Reyの図形を隠し、図形をもう一度描いてもらう(遅延再生)

検査の採点方法と解釈

 模写課題と再生課題の両方で、18の採点部位について…

 ☑︎ 個々の正確さ
 ☑︎ 図形全体における相対的位置関係

 この2点を考慮して「2点満点」で評価します。

※ 模写が視覚構成能力の指標

【基準:評価項目は図参照】
◯ 正確 
 正しい位置 2点
 誤った位置 1点
◯ 歪んでいるか不完全であるがそれとわかる
 正しい位置 1点
 誤った位置 0.5点
◯ 欠損/同定不能 0点

高次脳機能障害 石合純夫 著

【解釈】
健常人30名/平均年齢68.1歳(標準偏差6.5/年齢範囲55〜78歳)
◯ 模写
平均:35.7
範囲:34〜36
◯ 3分後再生
平均:18.8
範囲:10〜31

高次脳機能障害 石合純夫 著

 ☑︎ 評価視点の追加

 ② の即時再生と遅延再生を比較すると健常人ではほとんど点数の低下が見られないことは考慮すべき。

おわりに

  ここまで、読んで頂きありがとうございます。

 最後に、脳卒中後遺症の改善に向けた自主トレメニュー(有料500円)を紹介します。

病院でやっていたリハビリ」と「本来回復に必要なリハビリ

 がズレていることが非常に多いです。 

 よく聞くのが「原因は筋肉」という話。 

 筋肉トレーニングも必要ですが、よくよく考えると根本的な問題って脳じゃないですか? 

 だって脳の損傷なんですもん・・・ 

 脳の回復に必要なリハビリしないといけないじゃないですか。

 そこをピックアップした自主トレを提供しています。

 なぜ自主トレで回復するのか・・・ 

 根本的な問題である脳の問題に対して「脳と手足の神経の繋がりを作るリハビリ」を根源に作った自主トレメニューだからこそ「改善する」がついてきます。

 根本的な問題に着目したメニューなら回復も見込めると思いませんか?

 今よりも10歩も20歩も先の自分になるためにも、使えるものは何でも利用しましょう。

 内容は大きく分けて3つです。 

☑︎ 病態、症状の理解  
☑︎ 病態、症状の原因  
☑︎ 自主トレメニュー 

 となっています。

 病態を理解することで、なぜ自分がこのような状態になり、どこに問題があり、どこを気をつけることでその症状が緩和するのか、図や写真を使いながら分かりやすく解説しています。

 全く動かせない方から、症状が軽いけどうまくいかない方まで、必要な機能的要素と脳科学的な知見を併用したメニューになっています。

 根本的な問題の解決をテーマに、最高の技術と知識をフル活動させて作った自主トレメニューです。

 販売してから既にnote経由を合わせて50件以上、おかげさまで好評を頂いています。

 500円で購入できますが、安価で買えるような自主トレメニューではないです。

 一人でも多くの方が麻痺のない生活に少しでも戻れるように願いを込めて作りました。 

 ぜひ、使って見てください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?