亜脱臼の根本的な問題は「肩甲骨の向き?」について
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「亜脱臼=弛緩性麻痺が主問題ではない…肩甲骨の位置と向きから考える仮説」について解説します。
亜脱臼ってなに?
一般的によく聞くのは「脱臼」だと思います。
脱臼は、関節を形成している骨が完全に離れることを指します。
つまり、「肩関節」を形成している「肩甲骨」と「上腕骨」が離れることを脱臼と言います。
この脱臼と、脳卒中後の後遺症として出現する「亜脱臼」は意味合いが少し異なります。
亜脱臼は、「関節の骨が部分的にズレる」ことを指します。
つまり、肩関節を形成している「肩甲骨」と「上腕骨」の位置関係がズレることを「亜脱臼」と言います。
そのため、亜脱臼を改善には、肩甲骨と上腕骨の「位置と向き」が筋肉の活動と同じくらい重要になります。
では、本来の肩甲骨と上腕骨の位置を学びましょう。
肩甲骨と上腕骨の位置と向き
肩関節を形成している部位として「関節窩」と呼ばれるものがあります。
上記の図を見ながら確認しましょう。
通常、関節窩は「上方/前方/外方」に向いており、関節窩が上方に向いているため、上腕骨の骨頭が下方に動くには外側にも動かなければならず、これが骨頭の下方変位を防ぐ上で重要な役割を果たしています。
※ 「肩関節のロッキング機構」と呼ばれています(Basmajian)
簡潔にいうと…
「関節窩が上/前/外向きじゃないと力抜いてる時は肩甲骨と上腕骨が離れちゃうよ」ってことです。
これは、腕神経叢損傷(神経自体に損傷を受け、筋肉の活動が得られなくなる怪我)後に肩の筋肉に麻痺が生じた患者さんは亜脱臼が起きないのは「肩甲骨の位置が適切に保たれている」ためと考えられます。
つまり、関節窩が正常な向きが保てないことが「脳卒中後の亜脱臼」の1つの要因と言えます。
なぜ関節窩が正常な向きだと亜脱臼にならないの?
1つは「関節包」と「烏口上腕靱帯」が関係しています。
腕が内側(肩関節内転位)にある場合、関節包の上部と烏口上腕靱帯が緊張し、上腕骨頭を他動的に防いでくれます。
これにより下方への動きが止まります。
もう1つは「棘上筋」が関係しています。
腕に加重がかかった時、棘上筋は関節包を水平方向の張力を補強するため、肩が抜けずに済みます。
また、腕の力が抜け対側に垂れ下がっている時でも棘上筋は働き続けますので、何も意識しなくても上腕骨は肩甲骨にハマった状態を維持できるわけです。
まとめ
関節窩の向きは「上方/前方/外方」であり、その向きが崩れることで脳卒中後遺症の方は「亜脱臼」を引き起こします。
この向きが崩れる原因としては、個別的な問題がありますが、どの病態でも意識して関わる必要のあることなので、覚えておきましょう。
終わりに
ここまで、読んで頂きありがとうございます。
最後に、脳卒中後遺症の改善に向けた自主トレメニュー(有料500円)を紹介します。
上記で説明している通り、
「病院でやっていたリハビリ」と「本来回復に必要なリハビリ」
がズレていることが非常に多いです。
よく聞くのが「原因は筋肉」という話。
筋肉トレーニングも必要ですが、よくよく考えると根本的な問題って脳じゃないですか?
だって脳の損傷なんですもん・・・
脳の回復に必要なリハビリしないといけないじゃないですか。
そこをピックアップした自主トレを提供しています。
なぜ自主トレで回復するのか・・・
根本的な問題である脳の問題に対して「脳と手足の神経の繋がりを作るリハビリ」を根源に作った自主トレメニューだからこそ「改善する」がついてきます。
根本的な問題に着目したメニューなら回復も見込めると思いませんか?
今よりも10歩も20歩も先の自分になるためにも、使えるものは何でも利用しましょう。
内容は大きく分けて3つです。
☑︎ 病態、症状の理解
☑︎ 病態、症状の原因
☑︎ 自主トレメニュー
となっています。
病態を理解することで、なぜ自分がこのような状態になり、どこに問題があり、どこを気をつけることでその症状が緩和するのか、図や写真を使いながら分かりやすく解説しています。
全く動かせない方から、症状が軽いけどうまくいかない方まで、必要な機能的要素と脳科学的な知見を併用したメニューになっています。
根本的な問題の解決をテーマに、最高の技術と知識をフル活動させて作った自主トレメニューです。
販売してから既にnote経由を合わせて50件以上、おかげさまで好評を頂いています。
500円で購入できますが、安価で買えるような自主トレメニューではないです。
一人でも多くの方が麻痺のない生活に少しでも戻れるように願いを込めて作りました。
ぜひ、使って見てください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?