回復に必ず必要なもの[モチベーション=燃料⁇]
お疲れ様です。はらリハです。
本日は…
「回復に必ず必要になるもの…モチベーション」について説明します。
はじめに
回復に必要なのはたくさんありますが、その中でも最も重要なのは「燃料」、ここではモチベーションと呼びます。
Peter G.Levine著者「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢の手のリハビリテーション」の筆者と脳卒中患者の面接の様子をご覧ください。
ピーターは、この会話を最低であると述べています。
なんとなく、彼女がネガティブになるのは、会話の流れを見ると予測できます。
この発言により、やる気の出る方もいるかもしれませんが、脳卒中後の後遺症になり、未来に希望が持てない方も多くいる中、アスリートでもない方に対して、「今まで経験したことのない過酷なトレーニング」の発言は不安を煽るような言い方に聞こえてしまいます。
事実、過酷なトレーニングになるのは間違いありませんが、これでは、限られた方しか最大限の回復を望む可能性が潰えてしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか??
モチベーションに関連する見解
考えてほしいことは、脳卒中患者はアスリートでもなければ、ハードなトレーニングを積み重ねた経験もないです。
では、どうすれば彼らが「病前の姿」に戻るためにトレーニングに取り組むのか…
モチベーションに関連する見解を以下に述べます。
☑︎ モチベーションを一貫して維持できれば回復は加速する
脳卒中からの回復は、期待通りに改善しない時期は必ずあります。
それに対して、信じられないくらい良くなる時期もあります。
ゆっくりな回復の時期を乗り越えながら、モチベーションを保ちつつ、集中してリハビリに取り組むことが回復においては必須となります。
☑︎ 回復には努力が必要と知る
「回復にはそれ相応の努力が必要」という考えが、頭の中で当然のように思えていれば、モチベーションを維持することができます。
試験に合格するのも、仕事で成功を収めるのも、自宅に退院するもの、それ相応の努力をしたことで得られた結果です。
その結果を得るためには当然「それ相応の努力」が必要である、と脳を切り替える必要があります。
☑︎ モチベーションがあれば回復するわけではない
以下のリンクにも記載している通り…
回復には「脳の可塑性」を使い、身体の使い方を再学習する必要があります。
ただ、自動車を動かすためには燃料がいるように、リハビリに取り組むための燃料として「モチベーション」が必要になります。
☑︎ モチベーションを一貫して維持できれば回復は加速する
脳卒中からの回復は、期待通りに改善しない時期は必ずあります。
それに対して、信じられないくらい良くなる時期もあります。
ゆっくりな回復の時期を乗り越えながら、モチベーションを保ちつつ、集中してリハビリに取り組むことが回復においては必須となります。
つまり、回復に必要なリハビリには「取り組む意欲」が必要になります。
その意欲を引き出すために「モチベーション」を高める必要があり、この燃料は「高める手段」さえ知っていれば、誰にでも回復にとって大きな武器にできます。
その具体的な方法をお伝えします。
具体的な方法
モチベーションは切望、野望、夢です。
「絶対に障害に負けない、回復してみせる」という気持ちからモチベーションは生まれます。
モチベーションを維持するためのアイデアを以下に述べます。
★ 小さな目標を一つずつ達成していく
自分がどんな人生を送りたいのか、最終的なゴールを決めることがモチベーションを保つためには重要になります。
ある研究では…
「仕事上の目標を立てる群」と「人生の目標を立てる群」に分けて、どちらが生産量が高くなるのか、検証した研究があります。
結果は「人生の目標を立てる群」が生産量が高いと報告があります。
ここではわかることは、自分にとって「意味のあるもの」への集中力や成功に対しる戦略、モチベーションを得るためには「目標を立てる」ことは有効な手段だと言うことです。
ただ、目標を「麻痺を完全に治す」では具体性が無く、フワフワしたものになる為、麻痺を完全に治したうえで何を人生の中でやりたいのか、ここが重要になります。
例えば…
大きな目標として「装具を外してキャンプに行きたい」とします。
その大きな目標に対して自分が思う問題点を列挙します。
① 装具がないと、キャンプ用の低い椅子から立てない
② 装具がないと、BBQの時に立っていられない
③ 装具がないと、キャンプ場の少し柔らかい地面では支えが効かない
④ 装具がないと、テントの中で床から立ち上がれない
⑤ 装具がないと、受付前の手すりのない段差が登れない
⑥ 装具がないと、遊具などの施設で子供と遊べない
上記の問題点を1つ選び、その課題を達成する為の小さな目標を立てます。
例えば…
「① 装具がないと、キャンプ用の低い椅子から立てない」なら装具を外した状態で以下の課題を一つずつクリアしていきます。
→ 普通の椅子から手すりを使って立つ
1)つま先は床につけたまま
2)つま先に加えて踵もつけたまま
※ 以下同文
→ 普通の椅子から手すりを使わずに立つ
→ 普通の椅子から腕を組んだまま立つ
→ 柔らかいソファーから手すりを使って立つ
→ 柔らかいソファーから手すりを使わずに立つ
→ 柔らかいソファーから腕を組んだまま立つ
→ 自宅内で、キャンプ用に椅子を手すりを使って立つ…
など、問題点と類似した課題を難易度を下げた目標を立て、その目標に対して一つずつ達成していくことがモチベーションを維持することに有効です。
上記は、モチベーションを高めるだけでなく、回復にも影響を与えます。
ぜひ、実践しましょう。
☑︎ 回復を一種の競争と捉える
優秀なアスリートは常に自分自身と戦っています。
常に自分に負けないマインドを持ち、日々、課題に取り組んでいます。
この姿勢は見習いましょう。
☑︎ 回復を社会活動に繋げる
脳卒中後遺症の方は何百万人といます。
Twitter、mixi、Ameba、Facebook、Instagram、LINE openchatなど、SNSを中心に、脳卒中を経験した方々の回復の励ましになります。
また、あなたの成功と頑張りは、脳卒中ではない人々にとっても励みになります。
学校生活や家庭内環境に悩みを持つ子供たち、仕事や人間関係に精神的な苦痛を抱く若者、闘病生活を送る人々など、様々な悩みが不安を抱いている方の勇気や希望になります。
そういったことも自分のモチベーションの糧にできます。
ぜひ、自分の活動を広げていきましょう。
☑︎ 回復過程を楽しむ
脳卒中を経験していない人が言えることでは無いですが…
回復過程を楽しんでいる方は例外なく回復が進みやすいです。
私が自費リハビリ施設に勤めている時、ほとんどの利用者様から、自宅で自分なりに課題を見つけ、それを達成したことを都度、報告を頂いていました。
その時「家でこれはできたけど、これは難しかったんだよね〜、どうすればいいかな?」と自分なりに課題と向き合い、取り組む姿勢はいつも見習わなければいけないと思っていました。
この方は、できないことを見つけると嬉しそうに私に相談してくれました。
できないことを解決することで「麻痺のない自分の姿」に近づくことを知っているからです。
回復過程を楽しむのは、メリットしかないので、ぜひ、モチベーションを高める手段として取り込みましょう。
☑︎ 目標に対してスケジュールを組む
1ヶ月を目処に、リハビリメニューの組み立てましょう。
できれば紙面上に作り、達成する度にチェックができるようにしましょう。
リハビリを取り組み、継続できることが視覚的、かつ記録できることで自分の努力を見える化でき、モチベーションを高める材料になります。
また、1週間、2週間と、継続的に取り組むことができた時には自分にご褒美をあげましょう。
小さなご褒美でいいので、なにか報酬が得られる仕組みを作るとモチベーションを保ちやすくなります。
ぜひ、取り組んでみましょう。
モチベーションを燃料に回復を目指そう
回復に向かってチャレンジすることは非常にストレスが伴いやすく、飽きやすいです。そのため、しっかりとした準備が大切です。
脳卒中後の後遺症に対して、新しい知見は次々に発信されています。
その情報をいち早く取り込めるコミュニティーを見つけることや、医者や担当セラピストから情報を聞くことが必要です。
その中には、ハードな訓練が取り込まれているはずですが、プランを組み立てることで、乗り越えることができます。
その先に、神経可塑性の過程を前進させ、プラトーを乗り越えるパワーを生み出してくれます。
終わりに
ここまで読んで頂きありがとうございます。
はらリハでは、自費リハビリを受けたいが、金銭的に難しい方に向けて、有料の自主トレメニューを販売しています。
上記で解説しているように…
『脳の可塑性を考慮した自主トレーニングメニュー』を作成しています。
回復を諦めていない方、身体の動きが伸び悩んでいる方、新しいリハビリを体験したい方に向けた記事です。
興味のある方は、たった500円で体験できるので、ぜひご利用下さい。